『リンゴの絆』 ~木村秋則~ [木村秋則]
”奇跡のリンゴ”知られざる感動秘話
不可能を可能にした”偉業”の陰には津軽の男たちの“友情の絆”があった!
<著者のプロフィール>
木村秋則(きむら あきのり)
1949年、青森県中津軽群岩木町(現・弘前市)生まれ。
弘前実業高校卒。
農薬と肥料を一切使用しない自然栽培で、リンゴと米を栽培。
20代前半より農業を始め、当初は農協の指導に沿った通常のリンゴを
栽培していたが、農薬により家族に被害が出始め、家族のために徐々に
農薬を減らし堆肥を使用する減農薬・有機栽培を始めるが、10年近い
無収穫時代を経験。その間、農作業を行いながら様々な仕事に従事し
生計を確立させ、現在に至る。
現在、自然栽培によるリンゴ栽培のかたわら、海外・全国に増加し続ける
生産者に農業指導を行っている。
<この本との出会い>
木村さんの作品は、『奇跡のリンゴ』 ~NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」~で出会い
その後読み続けております。
<本の構成>
プロローグ 津軽弁で言う「けやぐ」と「友達」の違い
第1章 ”かまどけし”(破産者)のつぶやき
第2章 二人の”けやぐ”
第3章 ”奇跡”のその後
アッパ(妻)へ あとがきにかえて
ページ数 165ページ
読書時間 2時間
<本文からのご紹介>
答えは自然がくれるもの
消費者の方々にとって、農家にとって、自然環境にも良い、そうした循環のほうへ
農業は変わっていけるはず。と信じて、私はリンゴ栽培や農業指導に力を注いでいます。
多くの消費者は「私が作った野菜です」というような言い方をよくします。
でも、このような発想をしている限りは自然栽培を成功させるのは難しいでしょう。
野菜を作るのはそれぞれの種子や土、太陽だということを忘れているのではないでしょうか。
あたかも自分が作っているという思い込みや感覚を捨てることが大切です。
作物は自分で生長するものなのです。
私たちのような百姓は、実は自然のお手伝いをするだけです。主人公は、リンゴの木なのです。
リンゴの木を育てている、というのは人間のエゴです。私は自己紹介の時、
職業を「リンゴ手伝い業」ということもあります。
お米農家の方たちに講演会をした時のことです。私は最初に、
「お米を作っているのは誰ですか?」
と質問しました。そこに来ていた方は当たり前のように答えました。
「私たち人間です」
他の方々も、ざわざわしながら「そうに決まっているじゃないかという顔としていました。
しかし、私はこう答えました。
「米を作っているのは人間ではありませんよ、稲や土です。みなさんの身体の中に
米粒ひとつでも実りますか? 実らないでしょう」
会場がしーんと静まり返ります。
「米を作っている皆さんの生活を支えているのは、稲や土です。今日、着ている洋服も車も
ガソリンも、稲や土のおかげで買えるんです。今年、田んぼに御礼を言った人はいますか?
きっとみなさんの田んぼは『うちの主人は冷たいな。稲を育てたのは私たちなのに』と
思っているはずです。だから今晩は宴会に参加せず、そのお酒を田んぼに持っていって、
御礼を言ってください」
このように話して、ほとんどの方々が納得してくれたようです。感謝の気持ちをもって
農作物に「ありがとう」と言うことができれば、必ず結果が返ってくるはずです。
『リンゴの絆』”奇跡を支えた真実の人間ドラマ” P128~P130
この本は今までの木村さんの歴史と奇跡のリンゴとの取り組みにプラス、
お世話になった人々の事、津軽弁でいう親友の意味の”けやぐ”な人々の
お話が紹介されております。
木村さんの本は何冊か読んでいるので、とても読みやすくさらっと読めたのですが、
やはり人は一人では生きていけないし、成長することも出来ないと言うことが
あらためて実感できる素敵な本だと思います。
木村さんの昔からの”けやぐ”である大田さんは、何があっても木村さんの事を
信じ応援してくれ、奇跡のリンゴが出来た後、その販売販路の拡大に尽力してくれた
レストランの山崎さんがいたからこそ、これだけ奇跡のリンゴが有名になることが
できた。また、まったくリンゴが実らなかった時には、借金を督促せずゆっくり
待っていてくれた、銀行の方、そんないろいろな人に温かく見守られたからこそ、
奇跡のリンゴが生まれたのではないでしょうか。
本文からは、”答えは自然がくれるもの”の一部を紹介いたしました。
お米を作っているのは、稲や土、それに太陽や自然環境であり、人間が作っている
のではないよ。ということで、育ったお米や農作物に「ありがとう」と感謝しましょうと
木村さんは言っております。
農作物もそうですけど、子育てや人の育成なんかも、きっと同じくそうなんでしょうね。
子育てや人を育てるというのは、あくまでも育つのはそれぞれ本人であって、育てると
いう気持ちで向かうのではなく、感謝・「ありがとう」を忘れずに時には太陽のように、
また、時には雨や風のように叱咤激励し、温かく見守っていくということではないでしょうか。
と、考えると人も農作物も根本はきっと同じことになるのだな~と感じてしまいました。
やはり何かを成し遂げた人には、人生の教訓が生まれます、そんな教訓を感じ、
それをどう活かしていくことが出来るかが重要なことなのではないでしょうか。
<関連画像>
木村秋則さんの『奇跡のリンゴ』もモデルとなった映画「降りてゆく生き方」
<関連商品 楽天市場から>
不可能を可能にした”偉業”の陰には津軽の男たちの“友情の絆”があった!
<著者のプロフィール>
木村秋則(きむら あきのり)
1949年、青森県中津軽群岩木町(現・弘前市)生まれ。
弘前実業高校卒。
農薬と肥料を一切使用しない自然栽培で、リンゴと米を栽培。
20代前半より農業を始め、当初は農協の指導に沿った通常のリンゴを
栽培していたが、農薬により家族に被害が出始め、家族のために徐々に
農薬を減らし堆肥を使用する減農薬・有機栽培を始めるが、10年近い
無収穫時代を経験。その間、農作業を行いながら様々な仕事に従事し
生計を確立させ、現在に至る。
現在、自然栽培によるリンゴ栽培のかたわら、海外・全国に増加し続ける
生産者に農業指導を行っている。
<この本との出会い>
木村さんの作品は、『奇跡のリンゴ』 ~NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」~で出会い
その後読み続けております。
<本の構成>
プロローグ 津軽弁で言う「けやぐ」と「友達」の違い
第1章 ”かまどけし”(破産者)のつぶやき
第2章 二人の”けやぐ”
第3章 ”奇跡”のその後
アッパ(妻)へ あとがきにかえて
ページ数 165ページ
読書時間 2時間
<本文からのご紹介>
答えは自然がくれるもの
消費者の方々にとって、農家にとって、自然環境にも良い、そうした循環のほうへ
農業は変わっていけるはず。と信じて、私はリンゴ栽培や農業指導に力を注いでいます。
多くの消費者は「私が作った野菜です」というような言い方をよくします。
でも、このような発想をしている限りは自然栽培を成功させるのは難しいでしょう。
野菜を作るのはそれぞれの種子や土、太陽だということを忘れているのではないでしょうか。
あたかも自分が作っているという思い込みや感覚を捨てることが大切です。
作物は自分で生長するものなのです。
私たちのような百姓は、実は自然のお手伝いをするだけです。主人公は、リンゴの木なのです。
リンゴの木を育てている、というのは人間のエゴです。私は自己紹介の時、
職業を「リンゴ手伝い業」ということもあります。
お米農家の方たちに講演会をした時のことです。私は最初に、
「お米を作っているのは誰ですか?」
と質問しました。そこに来ていた方は当たり前のように答えました。
「私たち人間です」
他の方々も、ざわざわしながら「そうに決まっているじゃないかという顔としていました。
しかし、私はこう答えました。
「米を作っているのは人間ではありませんよ、稲や土です。みなさんの身体の中に
米粒ひとつでも実りますか? 実らないでしょう」
会場がしーんと静まり返ります。
「米を作っている皆さんの生活を支えているのは、稲や土です。今日、着ている洋服も車も
ガソリンも、稲や土のおかげで買えるんです。今年、田んぼに御礼を言った人はいますか?
きっとみなさんの田んぼは『うちの主人は冷たいな。稲を育てたのは私たちなのに』と
思っているはずです。だから今晩は宴会に参加せず、そのお酒を田んぼに持っていって、
御礼を言ってください」
このように話して、ほとんどの方々が納得してくれたようです。感謝の気持ちをもって
農作物に「ありがとう」と言うことができれば、必ず結果が返ってくるはずです。
『リンゴの絆』”奇跡を支えた真実の人間ドラマ” P128~P130
この本は今までの木村さんの歴史と奇跡のリンゴとの取り組みにプラス、
お世話になった人々の事、津軽弁でいう親友の意味の”けやぐ”な人々の
お話が紹介されております。
木村さんの本は何冊か読んでいるので、とても読みやすくさらっと読めたのですが、
やはり人は一人では生きていけないし、成長することも出来ないと言うことが
あらためて実感できる素敵な本だと思います。
木村さんの昔からの”けやぐ”である大田さんは、何があっても木村さんの事を
信じ応援してくれ、奇跡のリンゴが出来た後、その販売販路の拡大に尽力してくれた
レストランの山崎さんがいたからこそ、これだけ奇跡のリンゴが有名になることが
できた。また、まったくリンゴが実らなかった時には、借金を督促せずゆっくり
待っていてくれた、銀行の方、そんないろいろな人に温かく見守られたからこそ、
奇跡のリンゴが生まれたのではないでしょうか。
本文からは、”答えは自然がくれるもの”の一部を紹介いたしました。
お米を作っているのは、稲や土、それに太陽や自然環境であり、人間が作っている
のではないよ。ということで、育ったお米や農作物に「ありがとう」と感謝しましょうと
木村さんは言っております。
農作物もそうですけど、子育てや人の育成なんかも、きっと同じくそうなんでしょうね。
子育てや人を育てるというのは、あくまでも育つのはそれぞれ本人であって、育てると
いう気持ちで向かうのではなく、感謝・「ありがとう」を忘れずに時には太陽のように、
また、時には雨や風のように叱咤激励し、温かく見守っていくということではないでしょうか。
と、考えると人も農作物も根本はきっと同じことになるのだな~と感じてしまいました。
やはり何かを成し遂げた人には、人生の教訓が生まれます、そんな教訓を感じ、
それをどう活かしていくことが出来るかが重要なことなのではないでしょうか。
<関連画像>
木村秋則さんの『奇跡のリンゴ』もモデルとなった映画「降りてゆく生き方」
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- ショップ: 楽天ブックス
- 価格: 1,300 円
タグ:奇跡のリンゴ
『すべては宇宙の采配』 ~木村秋則~ [木村秋則]
木村さんが出会った信じられない体験。 それは、木村さんとっては幻覚ではなく、紛れもない真実である。
自分が出会ったことを真正面に受け入れる真摯さ。
だからこそ、木村さんは「奇跡のりんご」を作ることができたのだ。 脳科学者茂木健一郎
<著者のご紹介>
著者のご紹介は以前の記事へ → 『奇跡のりんご』へ
<この本との出会い>
以前木村さんが主人公の「奇跡のリンゴ」を読んでいまして、似たような表紙でこの本を
本屋でたまたま見つけて購入してみました。
<本文からご紹介>
わたしは霊感とやらがあるわけでも、スピリチュアルに興味があるわけでもありません。
神様や仏様、そういう方面には、とんと疎いタイプです。
リンゴがならなくなってからは、神棚を拝むのもやめました。
初詣にすらいきません。 もう20年くらい行ってないな。
もちろん、どこかの宗教の回し者でもありません。
津軽でリンゴ農家を営むふつうの59歳であることを、最初にお断りしておきます。
こんなまえがきで始まる、この本なんですが、木村さんが講演会を行っている時、木村さんの
後ろにマンダラの光が見えた話し、小さなころに龍を見て、龍からお告げがあった話、
奥さんと毎週のようにUFOを見た話し、さらに、木村さんは宇宙人に何度も会い、その宇宙人に
連れ去られ地球の年齢を見せられた話、しかも、その地球の年齢はそう長くなかった話・・・。
こう列挙するだけでは、おいおい・・・と言う内容です。
でも、私は何かすーっと入ってくるんですよね。 なぜなのかな~っと思い返すと、以前読んだ
「アミ 小さな宇宙人」に出てくる内容と似ていて、さらに、地球の年齢に関しては、高木義之さんの
臨死体験にも似ているんですよね。きっと木村さん以外にもこんな体験をしている人はたくさんいるん
だろうな~って思います。その話だけで終わると、ちょっと何ですが、高木さんはそれで目覚め、
今では地球村というNPO団体を創立しエコ運動に真剣に取り組んでいます。そして、木村さんは
食について真剣に取り組もうとしております。ただの夢物語や妄想だと思うのではなく、
これをきっかけにいろいろな人が、食について真剣に考えていくことになるのが木村さんの望みなの
ではないでしょうか。いや~是非とも木村さんとアミの著者エンリケ・バリオスさんや高木義之さんと
会ってお話をして欲しいですね。きっと楽しい会話になることでしょう。
この本を読む前に、まずは、「奇跡のリンゴ」のDVDか本を読んでからこの本に取り組んで下さい。
さらに、「アミ 小さな宇宙人」と高木さんの「選択可能な未来」を読むと最高に楽しめますよ。
エンリケ・バリオスさんの記事はこちらです → 「アミ 小さな宇宙人」へ
高木さんの本の記事はこちらです → カテゴリー高木義之へ
自分が出会ったことを真正面に受け入れる真摯さ。
だからこそ、木村さんは「奇跡のりんご」を作ることができたのだ。 脳科学者茂木健一郎
<著者のご紹介>
著者のご紹介は以前の記事へ → 『奇跡のりんご』へ
プロフェッショナル 仕事の流儀 農家 木村秋則の仕事 りんごは愛で育てる [DVD]
- 出版社/メーカー: NHKエンタープライズ
- メディア: DVD
<この本との出会い>
以前木村さんが主人公の「奇跡のリンゴ」を読んでいまして、似たような表紙でこの本を
本屋でたまたま見つけて購入してみました。
<本文からご紹介>
わたしは霊感とやらがあるわけでも、スピリチュアルに興味があるわけでもありません。
神様や仏様、そういう方面には、とんと疎いタイプです。
リンゴがならなくなってからは、神棚を拝むのもやめました。
初詣にすらいきません。 もう20年くらい行ってないな。
もちろん、どこかの宗教の回し者でもありません。
津軽でリンゴ農家を営むふつうの59歳であることを、最初にお断りしておきます。
こんなまえがきで始まる、この本なんですが、木村さんが講演会を行っている時、木村さんの
後ろにマンダラの光が見えた話し、小さなころに龍を見て、龍からお告げがあった話、
奥さんと毎週のようにUFOを見た話し、さらに、木村さんは宇宙人に何度も会い、その宇宙人に
連れ去られ地球の年齢を見せられた話、しかも、その地球の年齢はそう長くなかった話・・・。
こう列挙するだけでは、おいおい・・・と言う内容です。
でも、私は何かすーっと入ってくるんですよね。 なぜなのかな~っと思い返すと、以前読んだ
「アミ 小さな宇宙人」に出てくる内容と似ていて、さらに、地球の年齢に関しては、高木義之さんの
臨死体験にも似ているんですよね。きっと木村さん以外にもこんな体験をしている人はたくさんいるん
だろうな~って思います。その話だけで終わると、ちょっと何ですが、高木さんはそれで目覚め、
今では地球村というNPO団体を創立しエコ運動に真剣に取り組んでいます。そして、木村さんは
食について真剣に取り組もうとしております。ただの夢物語や妄想だと思うのではなく、
これをきっかけにいろいろな人が、食について真剣に考えていくことになるのが木村さんの望みなの
ではないでしょうか。いや~是非とも木村さんとアミの著者エンリケ・バリオスさんや高木義之さんと
会ってお話をして欲しいですね。きっと楽しい会話になることでしょう。
この本を読む前に、まずは、「奇跡のリンゴ」のDVDか本を読んでからこの本に取り組んで下さい。
さらに、「アミ 小さな宇宙人」と高木さんの「選択可能な未来」を読むと最高に楽しめますよ。
エンリケ・バリオスさんの記事はこちらです → 「アミ 小さな宇宙人」へ
高木さんの本の記事はこちらです → カテゴリー高木義之へ
『奇跡のリンゴ』 ~NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」制作班監修~ [木村秋則]
「絶対不可能」を覆した農家木村秋則の記録。ニュートンよりも、ライト兄弟よりも、偉大な奇跡を成し遂げた男の物語。
「死ぬくらいなら、その前に一回はバカになってみたらいい」
<著者のプロフィール>
○この作品の主人公
木村秋則(きむらあきのり)
1949年、青森県中津軽群岩木町で農家の次男坊として生まれる。
高校卒業後、神奈川県川崎市のメーカーに集団就職するが、1年半で退職。
以来、故郷で農業一筋に暮らす。2006年にNHK「プロフェッショナル仕事の流儀」に登場。
現在、リンゴ栽培のかたわら、国内外を問わず飛び回り、講演や農業指導を続けている。
○著者○
石川拓治(いしかわたくじ)
1961年茨城県水戸市生まれ。ノンフィクションライター。
著書に『ぼくたちはどこから来たの?』『あきらめたから、生きられた』
『国会議員村長』などがある。
○監修○
NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」
一流の「仕事」を徹底的に撮り下げるドキュメンタリー番組。
仕事現場に密着したVTRと、キャスターの茂木健一郎氏、住吉美紀アナが、
スタジオで繰り広げるインタビューで構成(NHK総合毎週火曜日22時~22時45分)
NHKエンタープライズよりDVDも販売中。
<この本との出合い>
Amazonのお勧め本からのご紹介です。
以前購入した『ワーキングプア 日本を蝕む病』からの流れです。 → 以前の記事へ
<本文のご紹介>
リンゴの木は、リンゴの木だけで生きているわけではない。周りの自然の中で、生かされている
生き物なわけだ。人間もそうなんだよ。人間はそのことを忘れてしまって、自分独りで生きていると
思っている。そしていつの間にか、自分が栽培している作物も、そういうもんだと思い込むように
なったんだな。農薬を使うことのいちばんの問題は、ほんとうはそこのところにあるんだよ。
農薬を撒くということは、リンゴの木を周りの自然から切り離して育てるということなんだ。
山の土が温かいのは、微生物がたくさんいて、活発に活動しているからだ。だから深く掘っても
温度は一定だった。畑の土が10センチ単位で温度が低くなるのは、土中の微生物の働きが弱っていると
いうことだな。その証拠に、いろんな場所の土を掘って温度を調べてわかったんだけど、畑でない場所でも、
畑に近いところでは同じだった。深いところほど温度が低くなっている。農薬の影響で、土の中の生態系が
変化してしまったんだろうな。私の畑も同じだった。おそらく、土中に棲息する微生物の量が山の土に
比べたらずっと少なかったんだと思う。
あの時で農薬散布をやめて6年経っていたけど、その前はずっと農薬を撒いていたから、生態系が壊れて
いたんだと思うのな。おまけにいつも草刈りをしていたから、生態系が回復することが出来なかった。
生態系は無数の生き物の活動によって生み出されるものだからな。 ・・・
木村さんが挑んだ無農薬でリンゴを作るという挑戦ですが、かなり壮絶な戦いです。リンゴはほとんど農薬を
使わずに作られていると思ってましたが年12回も農薬の散布が必要だという事実を知りました。その回数を
減らすと収穫量が減るが、かなり回数を減らしても収穫は出来たのですが、無農薬となると話が違いました。
完全に無農薬でリンゴを栽培するまでには、長い年月ほぼ無報酬で戦い続けなければならなかったのです。
そんな壮絶な戦いの記録がこの本には余すとこなく書かれていると思います。
本文からご紹介した、「リンゴの木はリンゴの木だけで生きているわけではない。周りの自然の中で、
生かされている生き物なわけだ。人間もそうなんだよ。人間はそのことを忘れてしまって、自分独りで生きている
と思っている」実はリンゴ栽培の話なのですが、木村さんの無農薬でリンゴを栽培するという情熱は、
人間社会にも相通じるものが多々あり、とても人生観を考えさせる箇所が多々ありますね~。
無農薬でリンゴを作ったが、あまりに貧相で不格好で、今度は売れずまた、今度は販売という壁にぶつかる、
そこを支援してくれた、無農薬のリンゴを買い続けてくれた人とのつながり、そんな感動的な話も盛りだくさんで、
是非とも読んで頂きたい一冊ですね~。DVDもありますので、まずはDVDを見て、本ではDVDには収録しきれ
なかった細部まで取材し書かれていますので、本を読むという流れが良いのではないでしょうか。
「死ぬくらいなら、その前に一回はバカになってみたらいい」
<著者のプロフィール>
○この作品の主人公
木村秋則(きむらあきのり)
1949年、青森県中津軽群岩木町で農家の次男坊として生まれる。
高校卒業後、神奈川県川崎市のメーカーに集団就職するが、1年半で退職。
以来、故郷で農業一筋に暮らす。2006年にNHK「プロフェッショナル仕事の流儀」に登場。
現在、リンゴ栽培のかたわら、国内外を問わず飛び回り、講演や農業指導を続けている。
○著者○
石川拓治(いしかわたくじ)
1961年茨城県水戸市生まれ。ノンフィクションライター。
著書に『ぼくたちはどこから来たの?』『あきらめたから、生きられた』
『国会議員村長』などがある。
○監修○
NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」
一流の「仕事」を徹底的に撮り下げるドキュメンタリー番組。
仕事現場に密着したVTRと、キャスターの茂木健一郎氏、住吉美紀アナが、
スタジオで繰り広げるインタビューで構成(NHK総合毎週火曜日22時~22時45分)
NHKエンタープライズよりDVDも販売中。
プロフェッショナル 仕事の流儀 農家 木村秋則の仕事 りんごは愛で育てる
- 出版社/メーカー: NHKエンタープライズ
- メディア: DVD
<この本との出合い>
Amazonのお勧め本からのご紹介です。
以前購入した『ワーキングプア 日本を蝕む病』からの流れです。 → 以前の記事へ
<本文のご紹介>
リンゴの木は、リンゴの木だけで生きているわけではない。周りの自然の中で、生かされている
生き物なわけだ。人間もそうなんだよ。人間はそのことを忘れてしまって、自分独りで生きていると
思っている。そしていつの間にか、自分が栽培している作物も、そういうもんだと思い込むように
なったんだな。農薬を使うことのいちばんの問題は、ほんとうはそこのところにあるんだよ。
農薬を撒くということは、リンゴの木を周りの自然から切り離して育てるということなんだ。
山の土が温かいのは、微生物がたくさんいて、活発に活動しているからだ。だから深く掘っても
温度は一定だった。畑の土が10センチ単位で温度が低くなるのは、土中の微生物の働きが弱っていると
いうことだな。その証拠に、いろんな場所の土を掘って温度を調べてわかったんだけど、畑でない場所でも、
畑に近いところでは同じだった。深いところほど温度が低くなっている。農薬の影響で、土の中の生態系が
変化してしまったんだろうな。私の畑も同じだった。おそらく、土中に棲息する微生物の量が山の土に
比べたらずっと少なかったんだと思う。
あの時で農薬散布をやめて6年経っていたけど、その前はずっと農薬を撒いていたから、生態系が壊れて
いたんだと思うのな。おまけにいつも草刈りをしていたから、生態系が回復することが出来なかった。
生態系は無数の生き物の活動によって生み出されるものだからな。 ・・・
木村さんが挑んだ無農薬でリンゴを作るという挑戦ですが、かなり壮絶な戦いです。リンゴはほとんど農薬を
使わずに作られていると思ってましたが年12回も農薬の散布が必要だという事実を知りました。その回数を
減らすと収穫量が減るが、かなり回数を減らしても収穫は出来たのですが、無農薬となると話が違いました。
完全に無農薬でリンゴを栽培するまでには、長い年月ほぼ無報酬で戦い続けなければならなかったのです。
そんな壮絶な戦いの記録がこの本には余すとこなく書かれていると思います。
本文からご紹介した、「リンゴの木はリンゴの木だけで生きているわけではない。周りの自然の中で、
生かされている生き物なわけだ。人間もそうなんだよ。人間はそのことを忘れてしまって、自分独りで生きている
と思っている」実はリンゴ栽培の話なのですが、木村さんの無農薬でリンゴを栽培するという情熱は、
人間社会にも相通じるものが多々あり、とても人生観を考えさせる箇所が多々ありますね~。
無農薬でリンゴを作ったが、あまりに貧相で不格好で、今度は売れずまた、今度は販売という壁にぶつかる、
そこを支援してくれた、無農薬のリンゴを買い続けてくれた人とのつながり、そんな感動的な話も盛りだくさんで、
是非とも読んで頂きたい一冊ですね~。DVDもありますので、まずはDVDを見て、本ではDVDには収録しきれ
なかった細部まで取材し書かれていますので、本を読むという流れが良いのではないでしょうか。