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『空の上で本当にあった心温まる物語』 ~三枝理枝子~ [「素敵な会社の物語」]


 3万9000フィート上空から――
 元CAが出会った
 心打たれる奇跡のような出来事


 ANAで語り継がれてきた33のハートフルストーリー


空の上で本当にあった心温まる物語

空の上で本当にあった心温まる物語

  • 作者: 三枝 理枝子
  • 出版社/メーカー: あさ出版
  • 発売日: 2010/10/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



<著者のプロフィール>
 三枝理枝子(さえぐさりえこ)
 青山学院大学文学部英米文学科卒業。
 全日本空輸株式会社入社後、国内線、国際線チーフパーサーを務める。
 VIP(皇室、総理、国賓)フライトの乗務ほか、
 実機の新入客室乗務員訓練のインストラクター、
 業務要領プロジェクトメンバーに選ばれるなど、幅広く活躍した後、退職。
 現在は、ANAラーニング株式会社の研修事業部講師として、
 ANAグループをはじめ、多くの一般企業や学校等で接遇力や
 コミュニケーション能力向上のための人材開発に関する研修を行っている。
 講師としての評価も高く、リピート率の高さを誇る。
 また、茶道師範として日本の伝統文化の伝承に力を注ぐ。
 幼稚園児から大人までを対象とする、茶道の精神に基づいた斬新で
 わかりやすい礼法や食卓作法などを伝える文化活動や、
 楽しく夢を実現するためのコーチングにも携わっている。


<その他の著書>
 なし


<著者のHomePage等>
 空の上で本当にあった心温まる物語のブログ
 


<この本との出会い>
 空港の本屋さんを覗いたところ、山積みにされていした。
 青い表紙とANAの手書きの挿絵に心惹かれて購入しました。


<本の構成>

 はじめに
 Story01 羽田→福岡便 カーテン越しのバースデー
 Story02 松山→羽田便 おばあちゃんの子守唄
 Story03 那覇→羽田便 日焼けしたあなたに
 Story04 成田→香港便 二つの帽子
 Story05 羽田→長崎便 もう一つのプレゼント
 Story06 羽田→秋田便 小さなジェントルマン
 Story07 仙台→羽田便 ぬるい日本茶
 Story08 バンコク→成田便 小さな親切
 Story09 シドニー→成田便 泣かないで
 Story10 羽田→小松便 一杯の水
 Story11 成田→北京便 ガッツポーズ
 Story12 羽田→千歳便 特製弁当
 Story13 富山→羽田便 「これ食べて」
 Story14 高知→羽田便 兄の手紙
 Story15 成田→北京便 鞄の取っ手
 Story16 ソウル→成田便 とっさの行動
 Story17 那覇出発便 Good-Bye Wave
 Story18 ロサンゼルス→成田便 ひと手間かけるだけで
 Story19 大阪→羽田便 見えなくなるまで
 Story20 羽田→宮崎便 「大丈夫です」
 Story21 グアム→成田便 メンテナンス
 Story22 羽田→高松便 手のぬくもり
 Story23 操縦室にて 機長のこだわり
 Story24 大阪→千歳便 手作りマップ
 Story25 成田→ロンドン便 ブリーニー
 Story26 羽田→函館便 結婚の挨拶
 Story27 ワシントン→成田便 イブのプレゼント
 Story28 大阪にて 上司からの手紙
 Story29 那覇→羽田便 忘れられない笑顔
 Story30 羽田→長崎便 地下室のご褒美
 Story31 広島→羽田便 心の扉
 Story32 香港→成田便 空の上の再会
 Story33 鹿児島→羽田便 「いつかお姉さんみたいに」

 おわりに

 ページ数 237ページ
 読書時間 2時間


<以前紹介した著書>
 なし


<関連動画>
 『空の上で本当にあった心温まる物語』


<関連記事>
 『スーパーCAの仕事術』





<本文からのご紹介>

 那覇出発便 Good-Bye Wave

 

 「出発前の飛行機に手を振るライン整備士の姿に憧れて……」と言って入社してくる
 整備士は少なくありません。
 今でこそ整備士が手を振りながらお客様を見送る光景は当たり前となっていますが、
 もともとは、一人のANA整備士の「お客様への想い」からであったことをご存じ
 でしょうか。
 それはまだB(ボーイング)737型機が飛び始めた(1973年)頃のお話です。
 この頃、ライン整備士(飛行機が到着し次に出発する間に必要なチェックをして
 飛行機の安全を確認し承認する人)は、飛行機が自走するとすぐに事務所に戻って
 しまうことがほとんどでした。たまに、運行乗務員(パイロット)に「いってらっしゃい」と
 手を振って見送る人もいたようですが、出発する飛行機に対して手を振っている整備士は
 いませんでした。

 そんなある日のこと。
 沖縄空港支店整備課に配属されたK君は、先輩整備士Mさんがいつも出発する飛行機に向かって
 最後まで手を振っていることに気づきました。そこで、
 「Mさんはどうしていつも出発する飛行機に手を振っているんですか?」
 と聞いたのです。するとMさんは次のように答えました。
 「おう。あれか。あれはな、俺、もともと沖縄の出身なんだよ。だから、お客様がこんな
 遠い沖縄まで高いお金を出して、青い海と輝く太陽を楽しみに来てくれて、ありがたいなって
 思うし、真っ黒に日焼けして帰っていく姿を見ると『よかったですね、来たかいがありましたね』
 って、思ってうれしくなる。反対に、台風や雨の日が続いてしまって、真っ白い肌のまま
 帰っていくお客様を見ると申し訳なくて、『ぜひもう一度、すばらしい沖縄を見に来てください』
 って、思う。
 だから、楽しく過ごしてくださった方はもちろん、ちょっと残念な思いをした方にも、沖縄に
 行ってよかったねって、楽しい思いでになったねって、思って欲しくて、その気持ちを伝えたくて
 手を振っているんだ。
 時々機内のお客様が手を振り返してくえるのが見えると、すごくうれしいんだよな。
 俺たちが整備した飛行機に乗っているお客様から手を振ってもらえるなんて、幸せなこと
 だと思わないかい?」

 Mさんの話に感動したK君は、この時以来、Mさんと同じ気持ちで手を振って見送るように
 なりました。
 その後、このお見送りは沖縄空港支店整備課にとどまらず、どんどん広まっていきました。
 そしていつしか「Good-Bye Wave」と呼ばれるようになり、世界中の空港で当たり前の
 光景となったのです。

 実は、この「Good-Bye Wave」、規定やマニュアルには一切定められていません。
 よく見てみるとわかりますが、整備士たちの手の振り方はそれぞれ違います。
 でも、お客様のことを思う気持ちは、皆同じ。
 「この旅を、安全に楽しく過ごしてほしい。いってらっしゃい」
 そんな想いを込めて、今日もまた、整備士たちは手を振っているのです。

          ****
 炎天下の日も、寒い冬の日も、たとえ台風の日であっても、姿勢を正して、手を振り続ける
 整備士たち。
 私たち客室乗務員(CA)も、その姿を窓から見ています。
 「私たちが心を込めて整備した飛行機です。どうぞ安心して乗務してください。そして、
 私たちの分まで、お客様が快適に過ごせるようサービスしてください。私たちの想いは
 託しましたよ」
 そんな、彼らの熱い声がいつも聴こえてきます。その安心感と励ましに、
 「今日も頑張ろう」と思うのです。

 実は、手を振っているのは整備士だけではありません。機内の清掃を担当している係員たちが
 一列になってお見送りをしている空港もあります。
 今でこそ日常の何気ない光景なのですが、毎回、手を振る姿に胸が熱くなります。
 「ありがとうございます。行ってまいります。私たちにお任せください」
 手を振り返しながら、しっかりバトンを受け取り、私たち乗務員は飛び立ちます。

 規定やマニュアルにも書かれていない、一人の整備士が始めた何気ない行動が、多くの人
 の共感を得て世界中に広がった。
 強制的にさせられたわけではなく、それぞれがそれぞれの意思でその列に加わっていった。
 とてつもなく偉大なことだと思います。
 でもそれは、皆が同じ想いをもっているからこそ。
 だからこそ、つながっていったのでしょう。

 ANAでは「気づき」を大切にしています。
 自分え気づき、考え、動く。
 それが、また新しい気づきをつくるのです。



 『空の上で本当にあった心温まる物語』 P122~128より



 
 タイトルと素敵な表紙に心惹かれて購入し、そのまま機内で読み始めたところ、
 思わず感動で涙してしまいました。
 CAの方がこの本を読んでいるのに気がついたのか、やけに飲み物のサービスが
 過剰だったと感じたのは私の思い込みなんでしょうね~。
 さて、本文ですが、元CAで現職はANAラーニング株式会社の講師である、三枝理枝子さんが
 現役時代に体験した内容や、聞いた内容が中心となっております。
 年間何度も飛行機を利用しておりますが、こんな素敵な物語(ハートフルストーリー)が
 繰り広げられていたのですね~。搭乗時間が長い国際線であれば、素敵な物語の
 一つや二つあるのかな?っと思ってましたが、いやいや搭乗時間が短い国内線でも
 素敵な物語は存在するんですね。
 これも、読みとおしていくうちに、この三枝さんの人柄がこのハートフルストーリを
 演出しているのではと感じております。三枝さんは茶道師範としても活躍している
 模様で、その心の芯には茶道の一期一会が根幹にあるので、このような行動が
 できるのだな~と感心しました。
 私自身はサービス業ではありませんが、一期一会とても素敵な考えだと思っており、
 今回この本に出会った事は、自分を見つめ直す良い機会を頂いたと思います。
 出会いって大切ですよね~。






タグ:ANA
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コメント 2

あさ出版 井手

あさ出版の井手と申します。
このたびは「空の上で本当にあった心温まる物語」を
紹介していただき、ありがとうございました。

公式ブログにてお礼の記事を書きました。
一期一会ってとても素敵ですよね。CAという職業は毎日の一期一会に誠心誠意接する仕事なんですよね。
by あさ出版 井手 (2010-11-22 10:48) 

RONRON

あさ出版の井出さま

公式ブログでのご紹介ありがとうございます。
CAさんはまさに一期一会の真髄ですよね~。

これからも素敵本をがんがん出版して下さい^^

by RONRON (2010-11-22 21:17) 

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