『働くしあわせ』 ~大山泰弘氏講演録~ [「講演録」]
この講演録は、2007年11月NPO法人発達障害者父親会設立記念講演会における
大山泰弘氏のご講演「知的障がい者から教えられた究極の幸せ」の内容を一部加筆修正したものです。
<著者のご紹介>
大山泰弘(おおやま やすひろ)
東京都出身。昭和31年4月日本理化学工業株式会社に入社。
49年父の後を継ぎ、社長就任、現在に至る。工場は川崎と美唄にあり、
共に知的障害者多数雇用事業所。主製品ダストレスチョークを全国に製造販売。
56年重度障害者雇用事業所協議会設置。平成元年社団法人全国重度障害者雇用
事務所協会を設立、同15年5月まで会長を務めた。この間、日本障害者雇用促進協会
評議員や、労働、厚生、文部などの行政の委員などを歴任。
平成16年、企業フィランソロピー大賞受賞。平成21年、渋沢栄一賞受賞。
日本理化学工業株式会社
会社設立 昭和12年2月13日
資本金 2000万円
川崎工場 神奈川県川崎市高津区久地2-15-10
美唄工場 北海道美唄市東明二条3-2-10
事業内容 ダストレス事業部ー文具、事務用品製造販売
ジョイント事業部ープラスチック成形加工、ハンガーリサイクル事業
<この本との出会い>
以前「日本でいちばん大切にしたい会社」を読み、日本理化学工業の事を知りました。
その後、「読書のすすめ」でこの講演録のご紹介があり購入しました。
<本文からご紹介>
障害者雇用に関する取組は以前の記事を参照してください
→ 「日本でいちばん大切にしたい会社」の記事へ
障がい者雇用は一石三鳥の社会貢献
「障がい者雇用は一石三鳥の社会貢献」なんて、大変偉そうな言葉ですけれど、「もしも、重度の障がい者が日本理化学工業に就職できずに、また、よその会社にも就職できなかったとしたら、どうなってしまうのか」そう考えた時に、障がい者雇用がどういう価値を持つものなのか、はじめて気づくことができます。
一つ目は、企業にとっては労働力の確保です。
二つ目は、障がい者の人たちが休まずに一生懸命会社に来てくれる、それは単にお給料をもらえるから会社に来るという以上に「ぼくが必要とされる。役に立って、ぼくがいいチョークをつくれば学校の先生が喜んでくれる。そして、また、僕が行かないと仕事が止まって製品ができなくなってします」こういう『究極の幸せ』を感じながら毎日生きてくれる。これが二つ目の貢献です。
三つ目は、社会保障費の削減です。私は、時々、福祉の先生方とお会いすることがありますが、彼らから「大山さん、この子たちがもし二十歳で就職できずに、六十歳まで四十年間、施設でまるまる面倒を見るとすると、どれだけ費用がかかるか、社会保障費がどのくらい必要かご存じですか?」と聴かれたことがあります。
私が「どんでもない。そんなこと知りませんよ」と答えたら、先生曰く、「施設の建物、設備、職員の人件費などすべてを計算すれば、一人の障がい者に二十歳から六十歳まで二億円かかるんですよ。四十年間で一人二億円tpいうことは、一年間で五百万円。五百万円かけて、彼らの面倒を見ているのですよ」と説明されました。
年間百五十万円で最低賃金をクリアできるのに、彼らを施設に預けると一人五百万円の費用がかかる、それだけの社会保障費が節減できるとすれば、これは、また、大きな貢献になるわけです。
企業には「労働力の確保」、障がい者には「働く幸せ」、行政には「社会保障費の節減」。そう考えると、企業をもっと活用する、すなわち、障がい者雇用を広めることで、国も国民も企業もみんな良くなるのではないか、と思うのです。そういう意味で、私はあえて障がい者雇用は「一石三鳥の社会貢献である」と広くお伝えしています。
日本理化学工業はまさしく”日本でいちばん大切にしたい会社”ですね。以前の記事を読んでいただくと解るように、大山社長も最初から障がい者雇用を積極的に行っていた訳ではありません。ある少女との出会いがあり、他の従業員からのバックアップもあり、いろいろ悩みながら、障がい者雇用を始めました。それが47年くらい前の話です。そして今、74名中54名の方が知的障がい者の方々です。
何かを始めることはとても難しいことですし、また、その何かをやり続けるということも、とても難しいことですよね~。でも、その難しいことに挑戦し続けていくと、それは会社の伝統になって受け継がれていくものなのですね~。
大山会長はこの知的障がい者を雇用するということを、まさにやり続け、今では知的障がい者雇用のスタイルを確立し、全国にこのことを普及しようとしております。私も何かお役に立てることがないか、日々考え行動して行きたいと思います。
大山泰弘氏のご講演「知的障がい者から教えられた究極の幸せ」の内容を一部加筆修正したものです。
<著者のご紹介>
大山泰弘(おおやま やすひろ)
東京都出身。昭和31年4月日本理化学工業株式会社に入社。
49年父の後を継ぎ、社長就任、現在に至る。工場は川崎と美唄にあり、
共に知的障害者多数雇用事業所。主製品ダストレスチョークを全国に製造販売。
56年重度障害者雇用事業所協議会設置。平成元年社団法人全国重度障害者雇用
事務所協会を設立、同15年5月まで会長を務めた。この間、日本障害者雇用促進協会
評議員や、労働、厚生、文部などの行政の委員などを歴任。
平成16年、企業フィランソロピー大賞受賞。平成21年、渋沢栄一賞受賞。
日本理化学工業株式会社
会社設立 昭和12年2月13日
資本金 2000万円
川崎工場 神奈川県川崎市高津区久地2-15-10
美唄工場 北海道美唄市東明二条3-2-10
事業内容 ダストレス事業部ー文具、事務用品製造販売
ジョイント事業部ープラスチック成形加工、ハンガーリサイクル事業
<この本との出会い>
以前「日本でいちばん大切にしたい会社」を読み、日本理化学工業の事を知りました。
その後、「読書のすすめ」でこの講演録のご紹介があり購入しました。
<本文からご紹介>
障害者雇用に関する取組は以前の記事を参照してください
→ 「日本でいちばん大切にしたい会社」の記事へ
障がい者雇用は一石三鳥の社会貢献
「障がい者雇用は一石三鳥の社会貢献」なんて、大変偉そうな言葉ですけれど、「もしも、重度の障がい者が日本理化学工業に就職できずに、また、よその会社にも就職できなかったとしたら、どうなってしまうのか」そう考えた時に、障がい者雇用がどういう価値を持つものなのか、はじめて気づくことができます。
一つ目は、企業にとっては労働力の確保です。
二つ目は、障がい者の人たちが休まずに一生懸命会社に来てくれる、それは単にお給料をもらえるから会社に来るという以上に「ぼくが必要とされる。役に立って、ぼくがいいチョークをつくれば学校の先生が喜んでくれる。そして、また、僕が行かないと仕事が止まって製品ができなくなってします」こういう『究極の幸せ』を感じながら毎日生きてくれる。これが二つ目の貢献です。
三つ目は、社会保障費の削減です。私は、時々、福祉の先生方とお会いすることがありますが、彼らから「大山さん、この子たちがもし二十歳で就職できずに、六十歳まで四十年間、施設でまるまる面倒を見るとすると、どれだけ費用がかかるか、社会保障費がどのくらい必要かご存じですか?」と聴かれたことがあります。
私が「どんでもない。そんなこと知りませんよ」と答えたら、先生曰く、「施設の建物、設備、職員の人件費などすべてを計算すれば、一人の障がい者に二十歳から六十歳まで二億円かかるんですよ。四十年間で一人二億円tpいうことは、一年間で五百万円。五百万円かけて、彼らの面倒を見ているのですよ」と説明されました。
年間百五十万円で最低賃金をクリアできるのに、彼らを施設に預けると一人五百万円の費用がかかる、それだけの社会保障費が節減できるとすれば、これは、また、大きな貢献になるわけです。
企業には「労働力の確保」、障がい者には「働く幸せ」、行政には「社会保障費の節減」。そう考えると、企業をもっと活用する、すなわち、障がい者雇用を広めることで、国も国民も企業もみんな良くなるのではないか、と思うのです。そういう意味で、私はあえて障がい者雇用は「一石三鳥の社会貢献である」と広くお伝えしています。
日本理化学工業はまさしく”日本でいちばん大切にしたい会社”ですね。以前の記事を読んでいただくと解るように、大山社長も最初から障がい者雇用を積極的に行っていた訳ではありません。ある少女との出会いがあり、他の従業員からのバックアップもあり、いろいろ悩みながら、障がい者雇用を始めました。それが47年くらい前の話です。そして今、74名中54名の方が知的障がい者の方々です。
何かを始めることはとても難しいことですし、また、その何かをやり続けるということも、とても難しいことですよね~。でも、その難しいことに挑戦し続けていくと、それは会社の伝統になって受け継がれていくものなのですね~。
大山会長はこの知的障がい者を雇用するということを、まさにやり続け、今では知的障がい者雇用のスタイルを確立し、全国にこのことを普及しようとしております。私も何かお役に立てることがないか、日々考え行動して行きたいと思います。
チビさん Niceありがとうございます。
by RONRON (2009-05-17 22:27)