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『小さな人生論』 ~藤尾秀昭~ [藤尾秀昭]

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いま、いちばん読まれている「人生論」


小さな人生論―「致知」の言葉

小さな人生論―「致知」の言葉

  • 作者: 藤尾 秀昭
  • 出版社/メーカー: 致知出版社
  • 発売日: 2003/09
  • メディア: 単行本






<本文からご紹介>

 信念の力

 四十数年前も前のことである。京都で数百人の経営者を前に松下幸之助氏が講演をした。
 その趣旨は、人材も資金もダムのようにプールしておく経営、つまり余裕を持った経営をしなければ
 ならない、ということであった。松下氏の持論であるダム式経営論である。

 講演が終わって、聴衆の一人が質問した。ダム式経営をしたいのは山々だが、どうすればできるのか
 秘訣を教えてくれ、というのである。
 松下氏はじっと考えてから、「わかりませんな」と答えた。そして、こう続けた。
 「一つ確かなことは、まずダム式経営をしようと思うことです。」
 失笑が会場をおおった。「思うだけで出来たら世話はない」「馬鹿にするんじゃない」。そんな声も聞こえた。

 だが、その中でただ一人、頬を紅潮させて松下氏を見つめる青年がいた。京セラを創業して間もない
 二十代の稲盛和夫氏である。そうか、まず思うことなのか。稲盛氏は脊髄の奥に火がついたような
 感動で心を熱くした。その心の火が信念になって凝固した。
 信念とは信じ念じることである。稲盛氏はダム式経営を信じ念じ続けた。
 その信念は京セラの現在に結晶している。

 「致知」の取材を通して数多くの経営者に接してきたが、一業を成した人には、突出して二つの共通した
 要素があるのを感じないわけにはいかない。
 一つは、「価値を見出す力」である。自分の置かれた環境、そこに結ばれる縁、携わる仕事等々に、
 多くの人はさしたる感興も覚えず、それらはたまたまのもの、ありきたりのものとみなしがちである。
 だが、一業を成した人はそこに独特の強烈な価値を見出すのだ。
 もう一つは、価値を「信じる力」である。ふたたび稲盛氏に登場していただく。

 京セラ創業時、セラミック製造の作業は誇りまみれ泥まみれ、汚い、きつい、厳しいの典型的な
 3K職場であった。若い社員の顔にはうんざりした色が浮かぶ。
 深夜作業を終えると、そんな若い社員と膝を突き合わせてラーメンをすすりながら、稲盛氏は熱っぽく
 語り続けた。自分たちがやっているのは世界の誰もやっていない仕事なのだ、自分たちは世界の
 先頭を走っているのだ、と。仕事に見出した価値。それを強烈に信じていたのである。
 そして、それが京セラのベースをつくったことは言うまでもない。

 価値を見出す力。その価値を信じる力。これこそ信念の力である。信じ念じる力が道のないところに
 道をつくり、人を偉大な高みに押し上げていくのである。

 最後に松下幸之助氏の言葉を掲げる。
 「根無し草に花は咲かない 信念がなければ人生に花は咲かない」

 
 


 苦難は幸福の門

 「苦難は幸福の門」 ― というのは、倫理研究所を創設した丸山敏雄氏の言葉である。
 苦難は生活の不自然さ、心のゆがみの映った危険信号であり、ここに幸福に入る門がある。
 従って、苦難を忌み嫌うのではなく、喜んで取り組み、苦難の原因になっている生活のあやまり、
 心の不自然さを取り去ると、かつ然として幸福の天地がひらけてくる、と述べられている。

 「大悪起これば大善来る」 ― と仏法では言われている。
 小さなよいことは、日常の中でもしょつちゅう起こる。しかし、大善 ― 本当に大きなよいことは、
 こんな苦しみはもういやだと言いたくなるような、大悪が起こったあとにやって来る、というのである。

   耐えきれないような大きな苦しみや困難や障害がおそってきた時に、もう駄目だと投げ出すのではなく、
 ここを越えれば、必ず大善 ― 本当に大きなよきことがやってくる、これはその前兆だと信じて、
 その波を越えて行けと、仏法は説いているのだ。

 いま国も企業も大きな困難の渦中にある。 個人的に人生の煩悩とかかえている方もおられよう。
 しかし、苦難は私たち自身をさらに成長させ、新しい世界を開いてくれようとする天の意であることを、
 先知先見の言葉は教えてくれている。

 




 「小さな人生論」は、何度も本屋さんなどで見かけていましたが、ちょっと堅そうなイメージがあり、
 購入するのは二の足を踏んでおりました。 今回、ほんとに何となく購入してみて読んでみましたが、
 イメージ程難しくもなく、それでいて深い内容で、とても素敵な本だと思いますね~。
 この本は平成15年に発行されていますが、数年経った今でも、色あせることなく心に響きます。
 この他にも「小さな人生論2」「小さな人生論3」も購入済みです。これらも時間をおいてゆっくり読みたいと
 思います。 「致知」のHomePageでは無料メルマガの登録が可能で、これらもとても素敵な内容です。
 私も登録しておりますが、これが素敵なタイミングで、タイムリーな話題が送られて来ます。
 時折、自分を見つめなおすにも良いきっかけになりますので、登録してみてはいかがですか?

 「致知」のHomePageはこちら → 人間学を学ぶ月刊誌 月刊「致知」

 



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コメント 2

しまふくろう

内容のある本の紹介ありがとうございます。
早速読んでみようと思います。
信念は、本当に大切なことです。

by しまふくろう (2009-02-10 09:44) 

RONRON

しまふくろうさん コメントありがとうございます^^
ここでご紹介した、小さな人生論も素敵なのですが、
京セラの稲盛氏、倫理研究所の丸山氏の本も素敵ですので、
お時間があれば読んでみてください。


by RONRON (2009-02-11 12:48) 

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