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『心ゆたかに生きる①』 ~林覚乗~ [林覚乗]

南蔵院の林覚乗さんの心温まる素敵な作品です。



※みなさまのおかげで、この記事は1000アクセスを超えました。(2008/12/26現在) ありがとうございます!




心ゆたかに生きる








久し振りの林覚乗さんのご紹介なので、ちょっとプロフィールを・・・
 
 著者の林覚乗さんですが・・・
 福岡県にある南蔵院(なんぞういん)の第二十三世住職です。
 
 昭和28年4月24日 福岡県粕屋群篠栗町生まれ
 昭和51年       高野山大学密教教科卒業
 昭和51年~53年  高野山真言宗
              ハワイホノルル別院駐在開教師
 昭和55年       高野山真言宗別格本山篠栗四国
              総本山南蔵院住職に就任
 現在 福岡いのちの電話副理事長、福岡刑務所篤志面接委員
     アジア刑政財団評議員
 ※上記のプロフィールは、平成18年2月20日の状況です。

さて、それでは、感動の本の内容の紹介をいたします。




勉強よりももっとすばらしいもの

 私はある懸賞論文で、小松まり子さんという37歳のお母さんの作品を印象深く
 読まさせていただきました。この方のお子さんは、足が不自由な方でしたが、車椅子で
 小学校に通った六年間の間、お父さんお母さんは一度として車椅子を押されたことが
 なかったそうです。近所の子供たちが当番を決めて、六年間ずっと送り迎えをしてくれたそうです。
 
 そして、中学に入るとき、一緒に普通の中学校に行けると思ったら、教育委員会からの
 「お宅のお子さんは施設に入れて下さい」という指示がきたのです。そのとき、友達が
 猛反発をしました。署名運動までして、中学校の校長先生を動かして、同じ中学校に通う
 ことができました。

 三年間また当番を決めて友達が送り迎えをしてくれました。そして、小松さんの息子さんは
 体が弱いから欠席も多かったけれども、なんとか卒業までこぎつけました。ところが、
 風邪をひいて、晴れの卒業式に出られなくなってしまいました。そのときに「お母さん、
 小学校六年間、中学校を三年間支えてくれた友達に、僕、お礼が言いたい」と言って、
 朝、ベランダに出て卒業式に行く友達を見送りました。みんなが手を振って、「お前の分まで
 がんばってくるからな」と言って、卒業式に行きました。

 お父さんが早く帰って来て、家で親子三人で卒業のお祝いをする約束でした。昼ご飯どきに
 チャイムが鳴ったから、お母さんは、お父さんが早く帰って来たと思って飛んで行かれた。
 そしてら、そこに立っておられたのは卒業証書を持った校長先生と各学年の先生方と友達
 でした。そして、校長先生が「今から、お宅のお子さんの部屋で卒業式をいたいんですが、
 よろしいでしょうか」とおっしゃいました。車椅子の息子さんとお母さんを前にして校長先生が
 卒業証書を読まれ、各学年の先生たちが「よくがんばったね」と握手をしてくれました。

 友達が拍手で祝福してくれたときには、息子さんはうつむいて涙を流していました。
 「私たちは、先生や友達の顔をまともに見ることができませんでした。息子は三年間
 中学校で何を学んだかわかりませんが、優しさが人をすばらしい人間に変えていくと
 いうことを学んでくれたから、それだけで十分です。学校で習った勉強よりも、もっと
 すばらしいものをうちの子供は学んだ気がします。」と、その懸賞論文の中に書いて
 おられました。

 今はこういうものの大事さが、だんだん失われています。皆さんが一本のろうそくの
 ような人間になられて、回りの方を明るく照らしていきながら、そこから新しい人生を
 歩まれる。それが、私たちにとって今から必要になっていくのではなかろうかと思うのです。

 福岡にある中学校の話ですが、同級生が亡くなったとき、友達がお葬式に行こうとしたら、
 校長先生が「授業日数に影響するから行ったらいかん」と止められたそうです。
 これは新聞に報道された話で、その真偽はわかりませんが、困った友達は
 代表を亡くなった同級生の家に行かせて、お父さんお母さんにこうお願いしたそうです。

 「クラスのみんなで、〇〇君を送りたいので、どうぞ霊柩車を学校の正門に回して下さい」

 当日、霊柩車はルートを変えて、学校の正門前を通って行きました。クラスの仲間は
 みんなで同級生を見送ることができたました。
 私はこの話を聞いたとき、校長先生が本気で子供たちの申し出を断った、しかも授業
 日数を理由にして断ったとしたら、校長をやめてもらわなければならないと思いました。
 最初から責任逃れでしょう。「ああ、行ってこい。行って手を合わせて、みんなで天国に
 送ってあげよう」
 もし、校長先生に子供たちに対する本当の愛情があるならば、こう言ってあげるのが
 当然でしょう。

 「学校で習った勉強よりも、もっとすばらしいものをうちの子供は学んだ気がします」
 先の小松まり子さんの言葉のように、学校は子どもたちに対して勉強より大事な
 本当の愛情を教えてほしいものです。



 
 なんと言うのでしょうか・・・最近は学校が悪いとか、先生が悪いとか、はたまた教育が悪い、
 文部科学省が悪い・・・みたいな話にすぐなっちゃう気がしますが、昔を振りかってみると、
 素敵なクラスの仲間と言うか雰囲気があれば、いじめもおきないし、他人を思いやることもできる
 と思うんですよね~。そのきっかけって実は、ほんのささいな事で、クラスの中心になる
 人物が、優しい心や他人に対する思いやりがあれば、クラスは結束して、善の方向に進む
 気がします。その中心になる人物は、綺麗な女の子の場合もあるし、ガキ大将の場合もある。
 そんな人の世話を焼くのが好きな子供が減ってきたのでしょうかね~。

 でも、こんなエッセイを読むと、まだまだ捨てたもんじゃない気がしますし、子供は子供で、
 ちゃんと考えてるんだな~って気がします!頑張れ子供達!心ゆたかに生きるんだよ!

 実はまだまだ感動のエッセイが盛りだくさんですが、今日はここまでにします。

 その他の、林覚乗さんの記事も参照して下さいね。
 『しあわせを感じる喜び』
 『自分が好きですか①』
 『自分が好きですか②』

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  それではまた明日!
 
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コメント 3

藤永勝彦

先日観光バスの中で、DVDを見せていただき
ぜひ購入したいのですが、何処にお願いしたら
よろしいでしょうか。
by 藤永勝彦 (2008-09-25 09:16) 

RONRON

藤永さんコメントありがとうございます。
林住職のDVDは、南蔵院のHomePageからご注文できます。
南蔵院のHomePageは → http://www.nanzoin.com/

電話かメールで注文可能です。
私もここから購入しましたが、1週間程度で手元に届きましたよ。

by RONRON (2008-09-25 15:35) 

Ross

素晴らしいブログ!あなたのテーマはカスタムですか?それともダウンロードしましたか?
どこかから?いくつかの簡単な調整を加えてあなたのようなデザインは、本当に私のブログを際立たせます。
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by Ross (2018-03-05 02:48) 

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