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『幸せの哲学「存在」対「高価」』 ~渡邉美樹~ [渡邉美樹]

 「人のため」ではなく、
 「自分のため」に、ただただ
 「ありがとう」を集めたい



幸せの哲学「存在」対「効果」DVD付き

幸せの哲学「存在」対「効果」DVD付き

  • 作者: 渡邉 美樹
  • 出版社/メーカー: 日本文芸社
  • 発売日: 2010/02/27
  • メディア: 単行本



<著者のプロフィール>
 渡邉 美樹(わたなべ みき)
 ワタミ株式会社代表取締役会長・CEO
 1959年生まれ、小学校5年生のとき、父親が経営する会社を
 清算したことから「自分は将来、社長になる」と決意する
 明治大学商学部を卒業後、会社経営に必要な財務や経理を取得
 するため会計システムの会社に半年間務めた後に、
 1年間運送会社で働いて独立資金300万円を貯める。
 84年に(有)渡美商事を設立。経営不振だった「つぼ八」の店を
 買い取り、FC店オーナーとして起業し、飛躍的に売り上げを伸ばした。
 92年居食屋「和民」を開発。2000年3月東証一部上場を果たした。
 2006年4月、持株会社体制に組織を改め、「外食」「介護」「高齢者向け宅配」
 「MD」「農業」「環境/メンテナンス」など「人」が差別化となり、
 コツコツと売上・利益を積み上げる事業のみ展開する。
 「地球上で一番たくさんのありがとうを集めるグループになろう」という
 スローガンのもと、100年企業を目指す。
 2009年代表取締役会長に就任。
 個人として、「学校法人郁文館夢学園」理事長、「医療法人 盈進会
 岸和田盈進会病院」理事長、「日本経団連」理事、
 公益財団法人「School Aid Japan」代表理事も務め、
 「みんなの夢をかなえる会」(NPO申請中)の立ち上げを準備中


<この本との出会い>
 ふと本屋に立ち寄ったところ、渡邉美樹会長の新作を見つけしかもDVD付きと
 いうことで購入しました。


<本の構成>
 はじめに

 第1章 「本当の幸せ」のつかみ方
 第2章 カンボジアで教えられた大切なこと
 第3章 日付の入らない夢 ~新たな生き方、新たな幸せ
 第4章 社会を変える一歩の踏み出し方

 おわりに

 付録DVDの内容
  CHAPTER1 なぜカンボジアで活動するのか
  CHAPTER2 経営者・渡邉美樹の原点
  CHAPTER3 学校建設・給食支援活動
  CHAPTER4 孤児院をつくる
  CHAPTER5 五十歳の遺言書

 ページ数 165ページ
 読書時間 3時間
 DVD    44分

 



<本文からのご紹介>

 第2章 カンボジアで教えられた大切なこと
 子どもたちの笑顔が教えてくれた「幸せのあり方」

 小学校で会う子どもたちは、一様に明るく、笑顔がすてきです。
 みな幸せそうに、目がきらきら輝いています。
 あるとき、4年生の男の子に「一日のうちで一番楽しいことは?」と聞くと、
 「学校で勉強しているとき」と答えてくれました。「お世辞を言わなくて
 いいよ」と軽口をたたいたら、「私は本当のことを言っています」と
 真剣な顔で抗議するのです。詳しく聞くと、朝は早くから起きて川に水を
 汲みに行き、牛の世話をして放牧し、牛糞を集める。そして学校。
 帰ると牛を一か所に集め、ご飯を炊いて夕食の支度・お母さんは亡くなっていて、
 おばあさんと弟二人をその子がめんどうをみています。つまり、彼にとって
 一日のなかで唯一の自由な時間が、学校での時間なのです。だから、学校で
 勉強しているときが、一日のうちで一番楽しいことになるわけです。

 彼らにとって、学校にいる間は勉強だけに集中すればよい。真剣度が違います。
 教室全体に「本気」が充満しています。先生の教えを、少しも聞き漏らすまいと
 している。ボールが飛んでくる瞬間に向かって集中力を高める野球少年のようです。
 その「一生懸命さ」、「ひたむきさ」は、日本の同じ年代の授業風景とはまったく
 違います。これに比べると、日本の子どもたちは元気がない。もっといえば、
 夢がない。
 カンボジアで子どもたちと話をしているとき、ある少女が言いました。
 「学校を建ててくれたお礼が言いたくて、ここにきました。私はこれから
 一生懸命勉強して、学校の先生になるつもりです。私たちは勉強したくても、
 先生がいないのでできません。だから私が先生になって、一人でも多くの
 子どもたちに教えたいのです。」
 この少女の言葉どおり、カンボジアでは圧倒的に先生が不足しています。
 知識人が徹底的に殺戮されたからです。「学校をつくる」とだまして教師たちを
 集め、そのままトラックに乗せて、郊外で銃殺したといわれます。その結果、
 内戦が終息して国連暫定統治下で安定を取り戻したとき、世界地図を見て
 カンボジアを識別できる人が、ほとんどいなかったというのです。
 この少女は十二歳なのに、まだ小学校2年生です。貧しいために学校に通えず、
 水汲みの仕事を手伝ってお金を貯め、やっと学校に通ってくるのです。
 このようにカンボジアの子どもたちは、夢を持たなければ生きていけないのです。
 みな貧しく、日々の仕事をこなさなければ生きていけない。だからこそ、
 「学校の先生になりたい」、「お医者さんになりたい」というように、夢を大きく
 広げていきます。
 いまのカンボジアは、まさに明治の日本のようです。がんばって未来を開こうと、
 明るい明日を信じ、夢を持ってそれに邁進している。みんな明るく将来の夢を
 語ります。
 昔の日本もそうでした。しかし、いまの日本の子どもたちは恵まれすぎて、他人の
 ことを考える余裕がなくなっています。「将来の夢」を聞いても、「別にない」、
 「わからない」、「言っても仕方がない」という返事が多い。
 「なんのために勉強するの?」
 と聞くと、カンボジアでは「勉強して先生になりたい」、「お医者さんになって
 みんなを助けたい」というはっきりした夢を持っている。しかし日本の子どもたちの
 答えは、「いい点数を取らないと怒られるから」、「いい学校に行きたいから」、
 「親が勉強しろとうるさいから」です。
 しかし、世界には学校に通えないどころか、毎日一食の食事もできない子どもたちが
 たくさんいます。こうした子どものことを少しでも知れば、自分の生き方を真剣に
 考えるようになると思うのです。
 私は以前出版した『無人島ウィ―』という絵本を、カンボジア語に翻訳して、孤児院の
 子どもたちにプレゼントしました。テーマは「関心と責任」です。隣人に共感し、
 自らの責任を果たしていくことの大切さを訴えかけたつもりです。
 本来なら、豊かな国に住む日本の子どもたちが関心を持ち、責任を果たす立場にいる
 はずです。ボランティア精神があるなしにかかわらず、日本の生まれて豊かさの恩恵を
 こうむれる以上、それだけで世界の恵まれない人に対する責任があると思います。
 病気の人を見れば、早く治ってほしいと願うのは当然ですし、飢えて死にそうな人が
 いれば、自分の分を分けてあげるのは、人間として当然の行為です。人間は本来みな、
 優しい存在なのだと思います。
 日本の小学生一か月のお小遣いは平均5000円だそうです。その7分の1、たった700円
 あれば、カンボジアでは子ども一人が一年間、学校に通うことができる。
 この5000円と700円という金額の意味を、よく考えてもらいたいものです。

 『幸せの哲学「存在」対「高価」』 P73~P76




 居食屋ワタミの会長渡邉美樹さんの最新刊です。今回はDVD付きということで、
 お得感を感じながら、気軽な気持ちで読み始めましたが、あまりの素敵な内容に
 ときおり涙を流しながら一気に読んでしまいました。
 私は本を読んだ後にDVDを見たのですが、順番としては、本を読む前に
 入門編としてDVDを見るのが良いのかもしれませんね。
 タイトルが「存在」対「効果」なので、いまいちどういう内容か判断しづらいと
 思いますが、簡単に説明してしまうと、ボランティアに関するお話なのですが、
 ただ単純に採算を度外視したボランティアではなく、「会社の経営者としての
 ボランティアとは?」「一般社員が行うべきボランティアとは?」の視点が
 とても解りやすく記述されていると思います。
 何よりも渡邉美樹会長が体験したカンボジアでの経験談は、思わず心がキュンとなり
 何か熱い思いがふつふつとわいてきます。
 私自身も何か社会貢献をしなければと、ボランティアや寄付をしなければと考えて
 おりましたが、実践出来ているのは、ほんの些細なことばかりで…。
 本文中で、100万円あれば1%の1万円、300万円は3%の3万円、1000万円は10%の
 10万円をボランティアや寄付にあてるとの記述があります。私自身もボランティアや
 寄付の割合はどの程度が適切なのかと迷っておりましたが、ある程度数値目標を
 作成して行動して行こうと思います。
 この本を読んで頂ければ、カンボジアの現状も解り、なぜボランティアが必要なのか
 理解でき、それぞれが何から始めればよいのかの方向性も解ります。
 マズローの欲求5段階でも、承認の欲求があり、人から認められたい欲求がある。
 その欲求は、仕事で認めれれるのもそうですが、ボランティア等を行い、人から
 喜ばれることにより満たされるのではないでしょうか?
 これはまさしく、ワタミのスローガンである「地球上で一番たくさんの
 ありがとうを集めるグループになろう」なんでしょうね~。
 まずは、それぞれ個々がこのスローガンを胸に、そして共感する仲間が集まり、
 その輪が広がって行くことができれば、きっと素敵な社会が実現するんですよね。





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