『チギレグモノ、ソラノシタ』 ~石井裕之~ [石井裕之]
7つの物語のなかに、きっとキミ自身がいます。
ベストセラー『「心のブレーキ」の外し方』『ダメな自分を救う本』の著者が贈る
はじめての連作短編小説。 キミの乾いた心に、そっと水を撒いてくれます。
<著者のご紹介>
著者のご紹介は以前の記事を参照してください。 → カテゴリー石井裕之へ
<この本との出会い>
石井裕之さんのメルマガで紹介されてました。
<本文からご紹介>
あきらめゲーム
行列のできるラーメン屋の行列に並ぶ―。
それを、僕はずっと軽蔑してきたはずだった。たかだか昼食の、しかもラーメンごときのために、
貴重な昼の時間を浪費できるだなんて、まともに仕事もできない連中に決まっている。
昔からそう思っていた。
しかし、そうやって馬鹿にしていたはずの行列の最後尾あたりに、いま、僕は立っている。
特別にここのラーメンを食いたいという気になったわけじゃない。それどころか、腹だってそんなに
空いてもいない。もちろん、ヒマをもてあましているわけではましてない。
ただなんとなく、意味もなく、列に並びたかっただけ・・・いや、ほんとうは、他にはどこも居場所を
思いつかなかった、というのが正直なところだった。
営業としてのいまの仕事も、今年で5年目になる。人気のラーメン店などに並ぶ時間があるなら、
客先に飛んでいきたい。だから、仕事の合間にコンビニのパンをかじるか、あるいは、せいぜい
空いているまずい立ち喰いそば屋で掻きこむのが、いつもの僕の昼食だった。そのくらい必死で
がんばってこられたのは、明確な目標があったからだ。
僕の夢は、入社5年目までにトップセールスとして会社に必要とされる営業になることだった。
それを目指して、日々地道な努力を積み上げてきた。
今年は、いよいよその入社5年目、年初に、無理をして、都心に近いマンションに引っ越した。
通勤にかかる時間を削減して、もっと仕事に集中できるようにするためだ。
今年こそは、必ずトップセールスになる! そう自分に誓った。
・・・・・・と意気込んでいた僕が、あっけなくどん底につき落とされたのが、ついさっき、今朝の
ことだった。
この本は冒頭に記述している通り、7つの物語で、それぞれが言葉遊びのゲームで構成されています。
「あきらめゲーム」「ためらいゲーム」「たいくつゲーム」「おもいでゲーム」「もめごとゲーム」
「やりがいゲーム」「ぐっぱいゲーム」の7つです。しかも、連作短編小説なので、それぞれのお話は
独立していますが、最後はすべてつながっているという構成になっております。劇団ひとりさんの
『陰日向に咲く』をイメージして頂けると良いのかな~と思っております。
しかし石井さんは才能豊かですね~。とても素晴らしい作品になっております。
あきらめゲームの主人公は、トップセールスになると地道な努力を重ねてきたのですが、MBAを取得した
新入社員にわずか入社半年ほどで先を越され、その新入社員が上司になってしまいます。それが原因で
夢をあきらめかけてしまう訳です。そこに謎の老人(この段階では謎なのですが、実はとても素敵な
つながりがあるんですよね)が行列の中で、心のゲームをしませんか?と話かけるのです。
そのような感じで、それぞれの登場人物と心のゲームを行い、それぞれが立ち直り、気づきを得ます。
最後にはその老人の正体が判明し、その後それぞれが取った行動とは・・・。
登場人物も多岐に渡り、シュチエーションも多岐に渡っているので、まさしく、物語の中に、
自分を見つけることが出来るかもしれませんね。いやいやとても素敵な本なんですよ。
ときにはゆっくりこんな感じの本を読むのもいいかもしれませんよ。また、風景描写もとても良く、
是非とも映画化を望みます。映像で見てみたいですね。石井裕之監督デビューかも!?
ベストセラー『「心のブレーキ」の外し方』『ダメな自分を救う本』の著者が贈る
はじめての連作短編小説。 キミの乾いた心に、そっと水を撒いてくれます。
<著者のご紹介>
著者のご紹介は以前の記事を参照してください。 → カテゴリー石井裕之へ
<この本との出会い>
石井裕之さんのメルマガで紹介されてました。
<本文からご紹介>
あきらめゲーム
行列のできるラーメン屋の行列に並ぶ―。
それを、僕はずっと軽蔑してきたはずだった。たかだか昼食の、しかもラーメンごときのために、
貴重な昼の時間を浪費できるだなんて、まともに仕事もできない連中に決まっている。
昔からそう思っていた。
しかし、そうやって馬鹿にしていたはずの行列の最後尾あたりに、いま、僕は立っている。
特別にここのラーメンを食いたいという気になったわけじゃない。それどころか、腹だってそんなに
空いてもいない。もちろん、ヒマをもてあましているわけではましてない。
ただなんとなく、意味もなく、列に並びたかっただけ・・・いや、ほんとうは、他にはどこも居場所を
思いつかなかった、というのが正直なところだった。
営業としてのいまの仕事も、今年で5年目になる。人気のラーメン店などに並ぶ時間があるなら、
客先に飛んでいきたい。だから、仕事の合間にコンビニのパンをかじるか、あるいは、せいぜい
空いているまずい立ち喰いそば屋で掻きこむのが、いつもの僕の昼食だった。そのくらい必死で
がんばってこられたのは、明確な目標があったからだ。
僕の夢は、入社5年目までにトップセールスとして会社に必要とされる営業になることだった。
それを目指して、日々地道な努力を積み上げてきた。
今年は、いよいよその入社5年目、年初に、無理をして、都心に近いマンションに引っ越した。
通勤にかかる時間を削減して、もっと仕事に集中できるようにするためだ。
今年こそは、必ずトップセールスになる! そう自分に誓った。
・・・・・・と意気込んでいた僕が、あっけなくどん底につき落とされたのが、ついさっき、今朝の
ことだった。
この本は冒頭に記述している通り、7つの物語で、それぞれが言葉遊びのゲームで構成されています。
「あきらめゲーム」「ためらいゲーム」「たいくつゲーム」「おもいでゲーム」「もめごとゲーム」
「やりがいゲーム」「ぐっぱいゲーム」の7つです。しかも、連作短編小説なので、それぞれのお話は
独立していますが、最後はすべてつながっているという構成になっております。劇団ひとりさんの
『陰日向に咲く』をイメージして頂けると良いのかな~と思っております。
しかし石井さんは才能豊かですね~。とても素晴らしい作品になっております。
あきらめゲームの主人公は、トップセールスになると地道な努力を重ねてきたのですが、MBAを取得した
新入社員にわずか入社半年ほどで先を越され、その新入社員が上司になってしまいます。それが原因で
夢をあきらめかけてしまう訳です。そこに謎の老人(この段階では謎なのですが、実はとても素敵な
つながりがあるんですよね)が行列の中で、心のゲームをしませんか?と話かけるのです。
そのような感じで、それぞれの登場人物と心のゲームを行い、それぞれが立ち直り、気づきを得ます。
最後にはその老人の正体が判明し、その後それぞれが取った行動とは・・・。
登場人物も多岐に渡り、シュチエーションも多岐に渡っているので、まさしく、物語の中に、
自分を見つけることが出来るかもしれませんね。いやいやとても素敵な本なんですよ。
ときにはゆっくりこんな感じの本を読むのもいいかもしれませんよ。また、風景描写もとても良く、
是非とも映画化を望みます。映像で見てみたいですね。石井裕之監督デビューかも!?
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