SSブログ

『びんぼう神様さま』 [高草洋子]

松吉の家にびんぼう神が住みつき、家はみるみる貧しくなっていきます。
ところが松吉は悲しむどころか、なんと神棚を作ってびんぼう神を拝みはじめました。
「なんで嫌われもんのわしを?」 不思議がるびんぼう神はやがて・・・


びんぼう神様さま

びんぼう神様さま

  • 作者: 高草 洋子
  • 出版社/メーカー: 地湧社
  • 発売日: 2000/08
  • メディア: 単行本



<著者のご紹介>

 高草洋子(たかくさ ようこ)
 富山県生まれの東京育ち、現在は兵庫県宝塚市に住む二児の母。
 生業は主婦、副業は夫の事業の手伝い。
 日本画を上野泰郎氏に、水墨画を佐藤紫雲氏に師事する。
 見えない世界を絵や文章にすることが大好き。
 今の夢は畑や自然の中で木や草花、虫、自然のすべてと語り合えるような生活をすること。
 2003年に月刊「湧」増刊として第2作「風と琴」も刊行。


<この本との出会い>

 読書のすすめのHomePageから検索して購入しました。





<本文からのご紹介>

 粗末な板切れの神棚に寝そべりながら、びんぼう神はフウーッとため息をついた。

 《なんでわしは、神様って呼ばれるんじゃろう?》

  この家に来てからというもの、今まで考えたこともないことでびんぼう神は悩んでおった。
  それまでのびんぼう神は、自分が来たことでその家が貧乏になってゆくのが楽しみで、
 貧乏への不平不満、愚痴を聞くのが大好きじゃった。ところがどうじゃ!この家のもんときたら…
  松吉の所へおとよが嫁に来たころ、この家にはまだ親の代からの田畑が残っておって、
 まずまずの暮らしをしておった。ちょうどそのころ、びんぼう神もこの家に住みつき、夫婦に
 なり立てで幸せ一杯の二人が、自分が来たことで、皿を投げ合い罵り合うようになるのかと
 思うと、にまにまするほど楽しみでならんかった。
  びんぼう神が来て間もなく、松吉の家の田畑が山津波に流され、見る間に松吉の家は貧乏に
 なっていった。びんぼう神は、それきたわい!とばかりにほくそえんでおった。





 わずか57ページの本なのですが、いろいろな事を気付かせてもらえる素敵な本です。
 主人公の松吉は、様々な困難も良い方向に考え、しまいにはびんぼう神さまを拝むまでに
 前向きに生活を行うことになるのです。また、奥さまのおとよさんもそんな松吉について行きます。
 そのひたむきな前向きさに、びんぼう神もいたたまれない気持ちから、何かしてあげようという
 気持ちに変わっていきます。また、この本の中には、いろいろな神様が登場します。
 びんぼう神、福の神、死神、厄病神、閻魔大王、大神、お薬師さん・・・
 昔の人はまさしく様々なものに神が宿り、様々な事象にも神さまが絡んでいたと考えられていたことが
 この本を読むと良く解りますね~。小さなうちにこんな本を読んでおけば、きっと心の針の部分に
 影響を与えることでしょうね。 もちろん大人が読むのもお勧めです。





nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。