『びんぼう神様さま』 [高草洋子]
松吉の家にびんぼう神が住みつき、家はみるみる貧しくなっていきます。
ところが松吉は悲しむどころか、なんと神棚を作ってびんぼう神を拝みはじめました。
「なんで嫌われもんのわしを?」 不思議がるびんぼう神はやがて・・・
<著者のご紹介>
高草洋子(たかくさ ようこ)
富山県生まれの東京育ち、現在は兵庫県宝塚市に住む二児の母。
生業は主婦、副業は夫の事業の手伝い。
日本画を上野泰郎氏に、水墨画を佐藤紫雲氏に師事する。
見えない世界を絵や文章にすることが大好き。
今の夢は畑や自然の中で木や草花、虫、自然のすべてと語り合えるような生活をすること。
2003年に月刊「湧」増刊として第2作「風と琴」も刊行。
<この本との出会い>
読書のすすめのHomePageから検索して購入しました。
<本文からのご紹介>
粗末な板切れの神棚に寝そべりながら、びんぼう神はフウーッとため息をついた。
《なんでわしは、神様って呼ばれるんじゃろう?》
この家に来てからというもの、今まで考えたこともないことでびんぼう神は悩んでおった。
それまでのびんぼう神は、自分が来たことでその家が貧乏になってゆくのが楽しみで、
貧乏への不平不満、愚痴を聞くのが大好きじゃった。ところがどうじゃ!この家のもんときたら…
松吉の所へおとよが嫁に来たころ、この家にはまだ親の代からの田畑が残っておって、
まずまずの暮らしをしておった。ちょうどそのころ、びんぼう神もこの家に住みつき、夫婦に
なり立てで幸せ一杯の二人が、自分が来たことで、皿を投げ合い罵り合うようになるのかと
思うと、にまにまするほど楽しみでならんかった。
びんぼう神が来て間もなく、松吉の家の田畑が山津波に流され、見る間に松吉の家は貧乏に
なっていった。びんぼう神は、それきたわい!とばかりにほくそえんでおった。
わずか57ページの本なのですが、いろいろな事を気付かせてもらえる素敵な本です。
主人公の松吉は、様々な困難も良い方向に考え、しまいにはびんぼう神さまを拝むまでに
前向きに生活を行うことになるのです。また、奥さまのおとよさんもそんな松吉について行きます。
そのひたむきな前向きさに、びんぼう神もいたたまれない気持ちから、何かしてあげようという
気持ちに変わっていきます。また、この本の中には、いろいろな神様が登場します。
びんぼう神、福の神、死神、厄病神、閻魔大王、大神、お薬師さん・・・
昔の人はまさしく様々なものに神が宿り、様々な事象にも神さまが絡んでいたと考えられていたことが
この本を読むと良く解りますね~。小さなうちにこんな本を読んでおけば、きっと心の針の部分に
影響を与えることでしょうね。 もちろん大人が読むのもお勧めです。
ところが松吉は悲しむどころか、なんと神棚を作ってびんぼう神を拝みはじめました。
「なんで嫌われもんのわしを?」 不思議がるびんぼう神はやがて・・・
<著者のご紹介>
高草洋子(たかくさ ようこ)
富山県生まれの東京育ち、現在は兵庫県宝塚市に住む二児の母。
生業は主婦、副業は夫の事業の手伝い。
日本画を上野泰郎氏に、水墨画を佐藤紫雲氏に師事する。
見えない世界を絵や文章にすることが大好き。
今の夢は畑や自然の中で木や草花、虫、自然のすべてと語り合えるような生活をすること。
2003年に月刊「湧」増刊として第2作「風と琴」も刊行。
<この本との出会い>
読書のすすめのHomePageから検索して購入しました。
<本文からのご紹介>
粗末な板切れの神棚に寝そべりながら、びんぼう神はフウーッとため息をついた。
《なんでわしは、神様って呼ばれるんじゃろう?》
この家に来てからというもの、今まで考えたこともないことでびんぼう神は悩んでおった。
それまでのびんぼう神は、自分が来たことでその家が貧乏になってゆくのが楽しみで、
貧乏への不平不満、愚痴を聞くのが大好きじゃった。ところがどうじゃ!この家のもんときたら…
松吉の所へおとよが嫁に来たころ、この家にはまだ親の代からの田畑が残っておって、
まずまずの暮らしをしておった。ちょうどそのころ、びんぼう神もこの家に住みつき、夫婦に
なり立てで幸せ一杯の二人が、自分が来たことで、皿を投げ合い罵り合うようになるのかと
思うと、にまにまするほど楽しみでならんかった。
びんぼう神が来て間もなく、松吉の家の田畑が山津波に流され、見る間に松吉の家は貧乏に
なっていった。びんぼう神は、それきたわい!とばかりにほくそえんでおった。
わずか57ページの本なのですが、いろいろな事を気付かせてもらえる素敵な本です。
主人公の松吉は、様々な困難も良い方向に考え、しまいにはびんぼう神さまを拝むまでに
前向きに生活を行うことになるのです。また、奥さまのおとよさんもそんな松吉について行きます。
そのひたむきな前向きさに、びんぼう神もいたたまれない気持ちから、何かしてあげようという
気持ちに変わっていきます。また、この本の中には、いろいろな神様が登場します。
びんぼう神、福の神、死神、厄病神、閻魔大王、大神、お薬師さん・・・
昔の人はまさしく様々なものに神が宿り、様々な事象にも神さまが絡んでいたと考えられていたことが
この本を読むと良く解りますね~。小さなうちにこんな本を読んでおけば、きっと心の針の部分に
影響を与えることでしょうね。 もちろん大人が読むのもお勧めです。
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