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『夜回り先生と夜眠れない子供たち』 ~ 水谷 修 ~ [水谷修]

本日はちょっと趣向をかえて、夜回り先生の本をご紹介します。
夜回り先生こと水谷修先生の経歴を紹介します。

夜回り先生と夜眠れない子どもたち








 1965年横浜生まれ
 上智大学文学部哲学科卒業
 教師生活のほとんどを少年の非行・薬物問題に捧げ、「夜回り」と
 呼ばれる深夜パトロールを行いながら、若者の更生に尽力。
 また各種メディアの出演や、日本各地での講演を通して、少年非行の
 実態を広く社会に訴え続けている。
 第17回東京弁護士会人権賞受賞。主な著書に『夜回り先生』
 『さらば、哀しみの青春』『さよならが、いえなくて』など。

この方も、とても素敵な方ですね~。生き方とか考え方がとても共感
出来てたのですが、中々読む機会が無く、本当にたまたま立ち寄った成田空港の
本屋で見つけ手にし、不覚にも機内で読み始めてしまいました・・・・
なぜ、不覚かと言うと・・・・泣いちゃいました・・・・泣きながら客室乗務員に、
お酒のおかわりを頼んじゃいました・・・・

この本は13章で成り立ち、1章は長いのもあれば、短いのもあります。
中には、あまりにつらく、やるせない気持ちになる話もあります。
その中から比較的軽めな章をご紹介します。


12 救い
 今年になって、聖士という少年と知り合った。
 彼は小学4年生で、リストカットを習慣にしていた。
 <いじめがつらくて、毎晩カッターで腕を切っているんです>

 家が貧しいというだけの理由で、ひどいいじめを受けているという。
 学校に行くたびに洋服を脱がされ、「洗濯してやる」と言って、便器に放り
 こまれる。廊下を歩くたびに「汚い」「くさい」とみんなに逃げられる。汚物に
 まみれ、泣きながら授業を受ける聖士を、担任は見て見ぬふりをする。
 泣きながら訴えたところで、「君も悪いんだ。もっときれいで清潔な服を
 着ればいい」と冷たくあしらわれる。
 家庭の状況も最悪だった。両親は生活保護を受けながら、働きもせず、
 掃除、洗濯も一切せず、パチンコと酒びたりの生活を送っていた。
 夜になると「おまえなんて生まれなきゃよかった」とののしりながら、
 聖士を何度も何度もなぐった。聖士には逃げ場がなく、守ってくれる
 大人も一人もいなかった。
 
 「聖士君、それでいいんだよ。リストカットは心の叫びだから。但し今度
 手首を切る時は、人前でやること。こそこそ隠していたら、ずっと今の
 ままだよ。まずは信用できそうな人の前で切ってごらん」
 私にとっては大きな賭けだった。もしもその相手が聖士の心を傷つけたら、
 取り返しのつかないことになるだろう。言った事を後悔すらした。でも、
 そう思った上でも、聖士にかける言葉は他に考えられなかった。

 子供には幸せになる権利がある。大人には子供を幸せにする義務がある。
 まわりの大人が信用出来なかったら、信用出来る大人が手を差し伸べて
 くれるまで待つしかない。それでもだめなら、自分の力で探し出すしかない。
 時間はかかるかもしれない。でもそれは必ず見つかるはずだ。

 翌朝、聖士から電話がかかってきた。
 「今、校長先生の前で手首を切ろうとしたんだ。家でも学校でもいじめられ
 てて、死にたいって言ったんだ。そしたら校長先生”つらかったんだね”って
 言って僕を抱きしめてくれたんだ」
 
 涙声を聞きながら、私は「良かった」と言った。
 別の人が電話に出た。
 「本当にすみませんでした。聖士君がこんなに苦しんでいるなんて知りま
 せんでした。私は教員として失格です。」
 優しさは言葉だけじゃわからない。しかし校長の泣きながら必死に詫びる
 声を聞き、私は素直に安心し、喜んだ。

 現在、聖士の両親は児童虐待の裁きを受けている。
 そして、聖士はその校長先生と一緒に暮らしている。


13.また、あした
 あらゆる心の苦痛は外に出して欲しい。

 傷つくことを恐れて、
 苦痛を抱え込んだままでいたら、
 いつか心がパンクしてしまうだろう。

 一緒に悩み、
 寄り添ってくれる大人は必ずいる。

 自分から救いを求めれば、
 きっと誰かが助けてくれる。
 
 ~ (中略) ~ 

 最近、一人の高校生からメールが届いた。
 私の著書『夜回り先生』を本屋で万引きしてしまい、今はすごく後悔して
 いるという。
 <俺どうしたらいいですか?>
 私はすぐにメールの返事を送った、
 <君はもう反省している。それでいいんだよ。君がそう感じてくれただけで
 嬉しいよ。本屋さんの名前と住所を教えてください。本の代金は先生が
 送っておくから>
 その少年はそれから悩みに悩み、2ヶ月経ってようやくその本屋に足を
 運んだ。謝ってお金を渡し、すぐに逃げるつもりだったという。しかし店長に
 呼び止められて観念し、私に相談したことを打ち明けた。するとその店長は
 涙を流し、自分のポケットマネーで別の本を買ってプレゼントしてくれた
 そうだ。

 彼は一生この出来事を忘れないだろう、
 ほんのささいなきっかけかもしれない。
 でもたったこれだけのことで、少年の未来は大きく変わるはずだ。

 ~ (後略) ~



まさしく、ほんの小さなきっかで子供たちは大きく変わるかもしれないんですね。
たしかに、街で暴れている人に声をかけるには、勇気もいれば恐怖も感じる。
でも、本当に困っている子供は、もっと我々の身近にいるものなんですね~。
そんな子供たちに、みんなが少しだけ勇気を出し、ささいな行動を起こす事が
出来れば、その子には大きな影響を与える事が出来るのです。

やるぞ~!みたいに気を張らなくてもいいんじゃないですか?
心に余裕を持って、他人の事、街を歩く子供の事を、注意深く見続ければ
我々でも出来る事に出合えるはずです。その時に、少しだけ勇気を出して
行動してみませんか?・・・私も頑晴ってみます。あなたも頑晴ってみませんか?
気楽に、楽しくやってみましょう。(頑張るでは無く、頑晴るです。)
この本を最後まで読むとちょっと切ない気持ちになります。正義感が強すぎる人は
怒りを覚えてしまうはずです。水谷先生も初期の頃の話では、大人を悪者にしてまずが、
最新の著書を読めば、大人も病んでいるんだとの記述があり、大人も許しています。
是非とも、水谷先生に興味を示された方は、過去の本を数冊読んだ後に、
最新刊の『夜回り先生のねがい』を必ず読んで下さいね。

夜回り先生のねがい









それでは・・・・今日も、ツイてる!ツイてる!

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タグ:教育 いじめ
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