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『トニー流幸せを栽培する方法』 ~トニー・ラズロ~ [「フリー」]


 世界の言葉や文化から
 「知恵」を授かり幸せになる!


 言語マニアのトニーによる、初の書き下ろしエッセイを文庫化。
 オリジナルの幸せの秘訣と哲学を、深くやさしく語っていく。
 イラスト満載のエッセイ集。
 「幸せ」って、ひとりひとりが大事に育てていくものらしい。
 水をやったり陽に当てたり、肥料を工夫してみたり…。
 トニーが世界の言語や文化から学び、今まで大切にしてきた知恵や
 考え方を、「幸せへの道しるべ」として紹介する。



トニー流 幸せを栽培する方法 (ソフトバンク文庫 ラ 4-1)

トニー流 幸せを栽培する方法 (ソフトバンク文庫 ラ 4-1)

  • 作者: トニー・ラズロ
  • 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
  • 発売日: 2010/03/19
  • メディア: 文庫



<著者のプロフィール>
 トニー・ラズロ(Tony Laszio)
 ハンガリー人の父とイタリア人の母の間に生まれ、
 米国に育つ。自他ともに認める語学好き。
 1985年より日本を拠点とするライター。
 英語と日本語で文章を書く傍ら、1994年から多文化共生を
 研究するNGO「一緒企画(ISSHO)」を運営。

 小栗左多里(おぐり さおり)
 1966年12月10日 岐阜県関市生まれ。
 1995年集英社月刊少女漫画誌「コーラス」にて、
 「空に真赤なモノレール」でデビュー。
 お寿司とイタリアンが好きなんだけど、
 最近、麺類もやけに好きだと気付いた。
 ベトナムの麺「フォー」も大好きで、
 いつか作れるようになりたいと思っている。
 また、葛きり・春雨類も好き。
 嫌いなものは、シベリア寒気団。

 (Homepageのプロフィールより引用)


<その他の著書>
 『ダーリンは外国人①~②』
 『ダーリンの頭ン中』
 『英語が出来ない私をせめないで!』
 『精神道入門』
 『まじょてん①~②』
 『母に習えばウマウマごはん』
 『さおり&トニーの冒険紀行 オーストラリアで大の字』
 『めづめづ和文化研究所 京都』


<著者のHomePage等>
 なし

<この本との出会い>
 なんとなく書店に立ち寄り軽く中身を拝見したら面白そうなので購入しました。


<本の構成>

 まえがき

 芽の章
  01 「嫌い」は禁止
  02 ほどほどに
  03 中毒は自ら選べ
  04 「訊いてみよう」主義
 樹の章
  01 躁と鬱のまんなかで
  02 我よいと思う、ゆえによい我あり
  03 それでも人を信じよう
  04 したいこと・できること・やるべきこと
  05 節目を前にして
  06 自立してから結ばれよう
 実の章
  01 「黄金律」より「黄金判断力」
  02 こっそり「一日一善」
  03 私の幸せ、あなたの幸せ
  04 愛するために生まれたのだ
  05 平和は訪れるのを待つものでない
  06 どうぞ、ご一緒に
 あとがき

 ページ数 143ページ
 読書時間 1時間


<以前紹介した著書>
 なし


<関連動画>
 トニーラズロ氏が語る『トニー流幸せを栽培する方法』



<関連記事>
 なし





<本文からのご紹介>
 


 02 我よいこと思う、ゆえによい我あり


 はじめて人と会うとき、相手と交わす会話は、ちょっとした軽いやりとりから
 緩やかに出発したほうが気持ちいい。そういう意味で、名刺は、初対面の人と
 人を結ぶ魅力的な道具だ。相手の名刺が少しでも個性的で洒落たものであれば、
 それによって最初のコミュニケーションが円滑になることがたびたびある。また、
 めったにないことだが、期待以上の働きをしてくれる名刺もある。
 僕はある日、そんな一枚の特別な名刺をもらった。相手は、道ばたで久しぶりに
 会った人だ。ちょっと立ち話をしたら、新しい名刺をくれた。彼の名刺の大きさや
 形、そしてデザインなどに、さほど個性的なところはなかったが、スローガンらしき
 ものが目についた。
 「善思、善語、善行」
 本人にその言葉の意味を説明してもらう時間はなかったが、なぜか気になった。
 あとで調べたところ、これは「ゾロアスター教」の基本的な教えであることが
 わかった。
 ゾロアスター教は約2500~3000年前に誕生したとされている、イスラム教、
 キリスト教、ユダヤ教、仏教をはじめ、多くの宗教に強い影響を与えている古代
 ペルシャ帝国(現在のイラン)の国教だった。「天使」、「天国と地獄」、
 「最後の審判」はそれぞれ全部、もともとゾロアスター教が生み出したと考え
 られている。そして、人間は善と悪という二つの道のどちらかを選択する立場に
 ある、という概念をはじめて打ち出したとされている。名刺にあった言葉は、
 ゾロアスター教徒にとっては一日数回唱える「祈り」の一部のようだ。僕はこれを
 「悪い道でなく良い道を選択するように」というありがたい助言として受けとめている。
 朝、目が覚めると、仕事のこと、あるいは生活のことなど、その日のうちにしなく
 てはならないことが頭に浮かんでくる。「今日一日、善い考え、善い言葉、善い行い
 をしよう」という言葉を口にすることで、あるいはそう思い描くだけでも、人間と
 しての基本に立ち戻れるような気がする。
 名刺をもらった際、「善思、善語、善行」がなぜ心の中で響いたのか。それは、
 僕は、子どものとき何か悪いことをしたら、
 「もう善悪をわきまえられる年頃じゃないの?」
 と親に言われ、よく叱られたものだ。これは、子どもだ「悪いことを悪いと知って
 いながら」やってしまったことを問題にしている。つまり「もう何が善くて何が
 いけないかはよくわかっているはずなのに、なぜ悪いことをするの?」という
 ことを言っているのだ、若干回りくどい表現で。善と悪の両方の選択肢が出てきた
 とき、いけないほうではなく、善いほうをちゃんと選択するんだよ、という親の
 期待が感じられる。
 もちろん、この「善いほうを選べ」という子どもの躾方法は、何もうちだけのもの
 ではない。1883年にイタリア人作家のカルロコルローディによって書かれた
 『ピノッキオの冒険』。この永遠のベストセラーには、「善悪をわきまえて、善いほう
 を自ら選べ」という道徳観がはっきり刻まれている。
 原著では、人形のピノッキオがどうしようもない悪ガキとして描かれている。
 その彼を善い方向へ導こうとするのは、母親の象徴として登場する「青い妖精」だ。
 彼女はピノッキオに対して、絶えず「善いことをしなさい」と注意するが、
 ピノッキオはそれでも悪いことを繰り返していく。ピノッキオが非行を繰り返して
 いると、ロバに変身させられて上、過酷な労働を強いられたり、魚に飲み込まれたり
 という、数々のイヤな目に遭わされる。実は最初のバージョンでは、ピノッキオが
 あまりにも酷いことをするので、最後は絞首刑にされてしまうのだ(そのショッキング
 な結末は、抗議を受けたのがきっかけで、人形が人間に変えてもらえるというハッピー
 エンディングに変わった)。しかし、これらの罰はいずれも親によるものではなく、
 受けるのが当然なくらいの「天罰」のようなものだ。ピノッキオがそれぞれの経験
 から学習して、自ら「善い道」を選べるようになるかどうかが、ストーリーの
 重大なポイントなのだ。
 コルローディがゾロアスター教の影響を直接受けていたかどうかはわからないが、
 ピノッキオのこのテーマは「善思、善語、善行」の精神とかなり一致していると
 思う。善と悪をよくわきまえた上、善いほうを選ぶことが人間一人ひとりにまかせ
 られている。さすがにこれはシンプルでわかりやすい。何千年もの昔から人々の
 生活に取り入れられていて、今のその教えが受け継がれているのも頷ける。
 

 『トニー流幸せを栽培する方法』P52~P57より



 
 立ち寄った本屋で軽く中身を見て、面白そうで読みやすそうなので購入しました。
 『ダーリンは外国人』は読んだことはなかったのですが、なんとなくナンパな外国人を
 イメージしておりましたが、トニーさんは真面目な言語学者だったんですね。
 本の構成は、トニーさんの思いがあり、その後に左多里のつぶやきとして、
 素敵なイラストでトニーさんの思いをわかり易く解説しております。
 章は、芽の章から始まり、樹の章、実の章となります。種の章がない理由はあとがきに
 書かれていますので購入して参照してみて下さい。
 植物が成長するのと同じく、芽が出て、成長して樹となり、それが熟成して実となる。
 その成長に合わせた内容で書かれております。
 本文からは”樹の章”から「我よいこと思う、ゆえによい我あり」を取り上げてました。
 内容から言うと、幼児教育と言うか成長の過程の話なので、芽の章では?と思いますが、
 やはり「善思、善語、善行」を日々意識して生活することが、成長につながるのではと
 言う点を考えると、樹の章になるのですね。
 「善思、善語、善行」とても素敵な言葉だと思いませんか。
 善い思い、善い言葉を使う、そして善い行いをする。口で言うのは簡単かもしれませんが
 実践するのは難しい、だからこそ、日々意識していかなければならないことなんですね。
 その他にも、「私の幸せ、あなたの幸せ」で自利利他の話を取り上げているのですが、
 この自利利他であって、利他自利ではないという説明なんかはとても素敵な考えだと
 思います。イラスト付きの解説もあり、”こんな言葉も参考に”で世界の様々な言葉も
 取り上げられ、軽く読むことは出来るが、内容はじっくり考えさせられる本になって
 おります。興味がわいた方はまずyoutubeの動画をご覧ください。
 私自身は、ゾロアスター教って何だろうと好奇心がわいてきました… ^^;





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コメント 1

RONRON

Simpleさん いつもNiceありがとうございます。
動画娘さん c_yuhkiさん Niceありがとうございます。
by RONRON (2010-10-10 21:05) 

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