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『老朽マンションの奇跡』 ~井形慶子~ [「ドキュメンタリー系」]

 「住みたい街No.1」吉祥寺で
 築35年のメゾネットを500万円で買って
 「ロンドンフラット」に再生!


 見棄てられたガラクタ物件をわずかな予算で理想の家に作り替え。
 不況の今だからこそ叶う住宅取得の裏ワザが炸裂する。

 あなたの住宅観を変える疾風怒涛のドキュメンタリー


老朽マンションの奇跡

老朽マンションの奇跡

  • 作者: 井形 慶子
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2009/11/18
  • メディア: 単行本



<著者のプロフィール>
 井形慶子(いがた けいこ)
 長崎県生まれ。
 日本外国特派員協会会員。
 ザ・ナショナルトラスト・ブランド顧問。
 大学在学中からインテリア雑誌の編集にたずさわる。
 その後、世界60カ国に流通する外国人向け情報誌を創刊。
 28歳で独立、出版社をおこし、情報誌「ミスター・パートナー」を発刊。
 出版社経営のかたわら、イギリスについての著作を執筆。


<その他の著書>
 『古くて豊かなイギリスの家 便利で貧しい日本の家』
 『お金とモノから解放されるイギリスの知恵』
 『少ないお金で夢がかなうイギリスの小さな家』
 『運命をかえる言葉の力』
 『イギリス式月収20万円の暮らし方』
 『日本人の背中』


<著者のHomePage等>
 イギリスから豊かな暮らしと行き方を考えるミスターパートナーHomePage

 この本で紹介されているリフォーム専門の常陽サービスのHomePage


<この本との出会い>
 当ブログからAmazon経由でお買い上げ頂いた方がいました。
 私も面白そうなので購入してみました。
 お買い上げ頂いた方ありがとうございます^^


<本の構成>
 はじめに
 第一章 住宅営業マンの悲鳴
 第二章 普通の人々の住宅政策
 第三章 たそがれロンドンフラットを再現
 第四章 200万円の丸裸リフォーム
 第五章 高級マンションを半値で買う時代
 第六章 増える空き家とさまよう日本人
 第七章 ガラクタ物件の壮大な夢
 あとがき

 ページ数 253ページ
 読書時間 3時間


<以前紹介した著書>
 なし


<関連動画>
 なし


<関連記事>
 Japan Business Press  若者はいつまで家賃を搾取され続けるのか



<本文からのご紹介>

リフォーム前.jpg

 はじめに

 本を書きながら、英国生活情報誌を発行する小さな出版社を経営する私は、給与明細表を
 チェックするたび、釈然としない思いにとらわれる。30人近い従業員の半数近くは20代~
 40代の独身男性。親元から通っているパラサイト族はわずかで、大半の地方出身者は賃貸
 生活を送っている。
 彼らの給与から社会保険、住民税などを差し引くと、支給額は20万円足らずとなる。ここ
 から毎月7~8万円近くの家賃が削り取られるのだ。若者が東京で部屋を借りて仕事を続ける
 ことは、大きな支出を伴うと心が痛む。所得の低い若者たちは、住むために働いていると
 言っても過言ではない。そう考えると給与を支払う私も空しくなる。
 大学進学を機に長崎の実家を出て状況した瞬間から、住まいの問題は私の前にも大きく
 立ちはだかった。どこに、いくらの部屋を借りるのか。風呂はあるのか。駅は近いのか。
 新宿、渋谷、原宿まで電車でどれくらいかかるのか。
 既刊の著書に書いたが、私が最初に借りた部屋は、東京都下の山並みを望む月1万円の農家の
 納屋だった。仕送り5万円のみという制約は、平均3万5千円の風呂付アパートを夢のものと
 したからだ。
 2階建の納屋を見た両親は、素晴らしい田園風景だ、勉強に集中できると絶賛した。けれど、
 長崎の湾に面した美しい庭のある実家で育った私が、アリが壁を這い、ネズミが天井を走り
 回る、農耕具の入った荒れ果てた「小屋」を受け入れるまで、葛藤がなかったといえば
 嘘になる。気持ちを切り替え、嬉々と年季の入った納屋の改装に励み、2階の和室に何とか
 自分の居場所を作り出したものの、風呂は母屋でもらい湯。洗濯機も家主に貸してもらう
 生活は、朝帰りした日や疲れた夜は、正直わずらわしくもあった。
 その都度、家賃1万円。この安さに勝るものはないと言い聞かせた。ところが都心まで出掛け
 るたび、1千円札はたちまち小銭に変わってしまう。JRで1時間の電車代がわずかな生活費を
 圧迫した。こうして安い郊外の住まいには、不便さとバカ高い交通費がつきまとうと知った。


リフォーム後.jpg


 『老朽マンションの奇跡』P19~P20
 画像はJapan Business Pressより転載です。



 これまたコーチングやメンタルヘルスとは関係のない本のご紹介になりました。
 でもこの本めちゃめちゃ素晴らしい本です。超おすすめです。
 ストーリを簡単に説明しますと、吉祥寺で築35年のオンボロマンションを500万で
 購入し、リフォーム代200万でロンドンフラットのマンションに再生させたと言う内容です。
 でも、単なるリフォーム自慢や投資の話ではなく、その背景がとても素敵なんですよね。
 本文から紹介した、”はじめに”も軽く書かれているのですが、著者の井形さんの
 思いというのは、井形さんも若いころ感じたことなのですが、若者たちは家賃を払うために
 働かざるおえない状況なのではないかということです。
 井形さん自身はイギリスでの留学時代に、同じ島国でもイギリスと日本の住宅に関する
 考え方の大きな違いを感じていたそうです。
 イギリスの若者は、まず中古の安い物件を購入し、それらを自分の手でリフォームし
 リフォーム後は友人等を誘いルームシェアをすることにより、高い家賃の呪縛から
 のがれているそうです。日本人も最近は少しルームシェアと言う言葉もちらほらと
 聞こえ始めてはおりますが、まだまだ、高い家賃を払い独り暮らしにこだわりを
 持っている若者が多数を占めているのではないでしょうか。 
 また、イギリスの若者のように、自分の手でリフォームするなんて考えている
 若者は皆無ですよね。かと言って、リフォームが素晴らしいとか、ルームシェアが
 素晴らしいとかいう内容ではないのです。おそらく井形さんが言いたい事は、
 ただ単純に高い家賃を払えば素晴らしい物件に出会える訳ではないですよ。
 かと言って安い物件を単純に購入しても、この本の明星ハイツのように
 なるとは限りませんよ。でも、大切なのは、いろいろ物件を見たり、いろいろ
 勉強したりして知恵をつけること、不動産屋のいいなりになるのではなく、
 自分で納得のいくまで追及しましょうということなのではないでしょうか。

 この本の主人公と言ってもよいハヤト君はそんな呪縛にもろに絡まってしまってます。
 彼女のため都心にマンションを借りて、それが元で数100万の借金を背負ってしまいます。
 そんなハヤト君を呪縛から解放するために井形さんが立ち上がったという、まさに
 疾風怒涛のドキュメンタリーです。
 もう一人の主人公である、常陽サービスの宇野社長。本文を読んだあと、HomePageで
 顔を拝見しましたが、かなりイメージと違いましたね・・・でもいい人そうですね。
 私の後輩も、高い家賃を払い、まさに家賃の為に働いているのではないかと思うものが
 います。是非とも無理やりにでもこの本を読ませてあげたいな~と思います。





タグ:リフォーム
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コメント 2

Simple

RONRONさん

私も20年以上前に、吉祥寺の近くに住んでいたことがあるので、とても興味をそそります。素敵な本の紹介ありがとうございます。
by Simple (2010-05-04 07:45) 

RONRON

Simpleさん 
いつもniceとコメントありがとうございます^^
Simpleさんは昔、吉祥寺の近くにお住まいでしたか。
この本はリフォームの他、新築マンションの購入に関する
体験談も書かれているので、とても参考になりますよ。
by RONRON (2010-05-04 11:38) 

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