『単純な脳、複雑な「私」』 ~池谷裕二~ [池谷裕二]
『進化しすぎた脳』を超える興奮!ため息が出るほど巧妙な脳のシステム。
私とは何か。 心はなぜ生まれるのか。 高校生とともに脳科学の深海へ一気にダイブ。
「今までで一番好きな作品」と自らが語る感動の講義録。
<著者のご紹介>
著者のご紹介は以前の記事を参照してください → 『のうだま』へGo
<この本との出会い>
以前読んだ、水野俊哉さんの『「ビジネス書」のトリセツ』で紹介されて購入しました。
<本文からのご紹介>
2-38 「心が痛む」ときは、脳でほんとに痛みを感じてる
これを端的に示す実験がある。たとえば、3人でバレーボールのテレビゲームをやってもらう。
対戦相手である2人のプレイヤーは自分からは見えない。モニタを通してトスゲームをやって
もらうわけだ。トスゲームだから、全員が味方だね。3人でボールを回しあって、自分のところに
きたら、別のプレイヤーにボールを返してあげる。
さて、この実験では、対戦相手の2人はグルなんだ。というか、実は2人はコンピュータなの。
本人は知らないんだけど、単にコンピュータ相手に遊んでいるだけだ。
そこで意地悪なプログラムを組んでおく。最初は3人で楽しく遊んでいるんだけど、あるときを境に、
本人にボールを渡さないようにする。つまり、ほかの2人同士でゲームを楽しんでいて、本人だけが
「のけ者」になった状況になる。そのときの気持ちは想像できるよね。仲間はずれにされると、
誰だって淋しくて胸が締めつけられるような、とってもイヤな心境になるでしょう。
実は、この実験は「のけ者にされたときの脳の反応を調べる」という研究。そんな状況に置かれた
ときの脳の反応をMRIで測定してみたわけ。そしたら、驚くことに、<痛み>に反応する脳部位と
同じ領野が活動したんだ。
よく「心が痛む」「胸が痛む」と言うけど、まさに言葉通り「痛い」ってわけ。「心が痛む」という
比喩的表現は日本語だけでなくて、世界中にわりと共通した表現みたい。つまり、脳から見ると、
仲間外れにされたときの不快な感情は、物理的な「痛み」と同質なものだといえる。
-さっき痛みを感じない人が出てきましたが、その人はのけ者にされても痛みを
感じないってことですか。
おお、いい質問だね。そういうデータは聞いたことがない。おそらく実験としてまだやられていない
のだと思う。でも、とてもいい視点だね。この仮説を検証するという意味で、ぜひとも必要な実験だ。
ところで、<痛み>の感覚は、元来は「のけ者にされたくない」という感情をつくるために生まれた
わけじゃないよね。あくまでも身体が損傷を受けていることを素早く感知して、その<痛み>を
避けるためにつくられた感覚システムだ。
しかし、そのよくできた「痛感システム」を、ただ痛み検出のためだけに使うのはもったいないよね。
実際、ヒトになると、このすぐれて敏感ば痛感システムは「社会的な痛み」の検出にも使われる
ようになったというわけだ。
この本は池谷さんがアウトリーチ活動の一環として母校で行った講演会の内容が収録されております。
全校講演と9名の生徒への3回の講演で構成されており、高校生に向けた講演会なのでとても
わかりやすく読みやすい内容です。
本文からは「心が痛み」について掲載してみましたがいかがでしょうか?
痛感システムと心の痛みは別のものと考えておりましたが、実はどちらも同じだと言うことは
衝撃ですよね。しかも、それがのけ者にされた状態で働くというのは、やはり人は一人では生きて
いけないということを表しているのではないでしょうか。いじめっていうのは本人の考え方の問題とかを
指摘する評論家の方がいますが、脳科学的にのけ者にされたと感じると、心が痛むということが証明
されているということを是非とも知っておいて欲しいですね。
この他にも、サブリミナルについての実験や、脳のゆらぎの実験、体の仕組みなんかもとても
面白く是非とも知っておいて欲しい内容です。脳のワーキングメモリは最大7個までしか並行処理
できないそうです。つまり、何か忙しいな~と感じた時には、やるべきことを洗い出すと、7項目以上に
なっている状態になっているそうです。脳のゆらぎの例では、アリが餌を探す仕組みを紹介して
おりますが、この内容がとても解りやすいんですよね。
内容が盛りだくさんであまり、細かく説明できませんが、この本は是非とも読んでおいて欲しい一冊ですね。
私とは何か。 心はなぜ生まれるのか。 高校生とともに脳科学の深海へ一気にダイブ。
「今までで一番好きな作品」と自らが語る感動の講義録。
<著者のご紹介>
著者のご紹介は以前の記事を参照してください → 『のうだま』へGo
<この本との出会い>
以前読んだ、水野俊哉さんの『「ビジネス書」のトリセツ』で紹介されて購入しました。
<本文からのご紹介>
2-38 「心が痛む」ときは、脳でほんとに痛みを感じてる
これを端的に示す実験がある。たとえば、3人でバレーボールのテレビゲームをやってもらう。
対戦相手である2人のプレイヤーは自分からは見えない。モニタを通してトスゲームをやって
もらうわけだ。トスゲームだから、全員が味方だね。3人でボールを回しあって、自分のところに
きたら、別のプレイヤーにボールを返してあげる。
さて、この実験では、対戦相手の2人はグルなんだ。というか、実は2人はコンピュータなの。
本人は知らないんだけど、単にコンピュータ相手に遊んでいるだけだ。
そこで意地悪なプログラムを組んでおく。最初は3人で楽しく遊んでいるんだけど、あるときを境に、
本人にボールを渡さないようにする。つまり、ほかの2人同士でゲームを楽しんでいて、本人だけが
「のけ者」になった状況になる。そのときの気持ちは想像できるよね。仲間はずれにされると、
誰だって淋しくて胸が締めつけられるような、とってもイヤな心境になるでしょう。
実は、この実験は「のけ者にされたときの脳の反応を調べる」という研究。そんな状況に置かれた
ときの脳の反応をMRIで測定してみたわけ。そしたら、驚くことに、<痛み>に反応する脳部位と
同じ領野が活動したんだ。
よく「心が痛む」「胸が痛む」と言うけど、まさに言葉通り「痛い」ってわけ。「心が痛む」という
比喩的表現は日本語だけでなくて、世界中にわりと共通した表現みたい。つまり、脳から見ると、
仲間外れにされたときの不快な感情は、物理的な「痛み」と同質なものだといえる。
-さっき痛みを感じない人が出てきましたが、その人はのけ者にされても痛みを
感じないってことですか。
おお、いい質問だね。そういうデータは聞いたことがない。おそらく実験としてまだやられていない
のだと思う。でも、とてもいい視点だね。この仮説を検証するという意味で、ぜひとも必要な実験だ。
ところで、<痛み>の感覚は、元来は「のけ者にされたくない」という感情をつくるために生まれた
わけじゃないよね。あくまでも身体が損傷を受けていることを素早く感知して、その<痛み>を
避けるためにつくられた感覚システムだ。
しかし、そのよくできた「痛感システム」を、ただ痛み検出のためだけに使うのはもったいないよね。
実際、ヒトになると、このすぐれて敏感ば痛感システムは「社会的な痛み」の検出にも使われる
ようになったというわけだ。
この本は池谷さんがアウトリーチ活動の一環として母校で行った講演会の内容が収録されております。
全校講演と9名の生徒への3回の講演で構成されており、高校生に向けた講演会なのでとても
わかりやすく読みやすい内容です。
本文からは「心が痛み」について掲載してみましたがいかがでしょうか?
痛感システムと心の痛みは別のものと考えておりましたが、実はどちらも同じだと言うことは
衝撃ですよね。しかも、それがのけ者にされた状態で働くというのは、やはり人は一人では生きて
いけないということを表しているのではないでしょうか。いじめっていうのは本人の考え方の問題とかを
指摘する評論家の方がいますが、脳科学的にのけ者にされたと感じると、心が痛むということが証明
されているということを是非とも知っておいて欲しいですね。
この他にも、サブリミナルについての実験や、脳のゆらぎの実験、体の仕組みなんかもとても
面白く是非とも知っておいて欲しい内容です。脳のワーキングメモリは最大7個までしか並行処理
できないそうです。つまり、何か忙しいな~と感じた時には、やるべきことを洗い出すと、7項目以上に
なっている状態になっているそうです。脳のゆらぎの例では、アリが餌を探す仕組みを紹介して
おりますが、この内容がとても解りやすいんですよね。
内容が盛りだくさんであまり、細かく説明できませんが、この本は是非とも読んでおいて欲しい一冊ですね。
- ショップ: 楽天ブックス
- 価格: 1,785 円
タグ:脳の仕組み
池谷さんの本、来ましたね~。(笑)
この本も面白いですし、インパクトが大きいですよね。
紹介されていた部分は、脳にとっては物理的な痛みも心理的な痛みも同じ部位が同様に感じるということですよね。
不思議ですけど、納得もできます。
by Simple (2009-12-27 23:52)
Simpleさんniceとコメントありがとうございます。
とても読み応えがあり素敵な本ですよね~。
脳のゆらぎや仕組みについても説明したかったのですが、
説明するのが難しく断念してしまいました・・・。
またよろしくお願いします^^
by RONRON (2009-12-28 00:36)
こんにちは、突然お邪魔します。 民主党が政権交代して、よい事もありますが、外交や安全保障は混乱しています。
特に天皇陛下への小沢さんの強制会見要求ははたして日本人としての立場からの要求なのか
首をかしげざるを得ません。
そして民主党内の旧社会党議員は「外国人住民基本法」を通そうとしています。
この法案は5年間不法にでも滞在していれば、国籍を与え、選挙権や生活保護も日本人と同じに与えようとするものです。
なぜこれほど優遇するのでしょうか。まるで日本人を差別している?又日本を我々が知らない間に社会主義国に作り変えるようです。
今の不況下、お金を使うなら我々のために使って欲しいものです。
もし、あなたの、あるいは将来のお子さんの事をお考えなら、ぜひ下の語を検索して調べてみてください。
色々な意見があることを知る事はけして無駄にはならないと思います。 失礼しました。 松田
「チャンネル桜動画 」
「 国民が知らない反日の実態 」
by 松田明 (2009-12-29 15:15)