『やばいぞ日本』 ~産経新聞「やばいぞ日本」取材班~ [「ドキュメンタリー系」]
経済、教育、外交、資源、国防・・・
日本を覆う不安の正体、そして再生への希望
産経新聞の大型連載 待望の書籍化!
<著者のご紹介>
本書は産経新聞で2007年7月3日から同年12月20日まで掲載された連載企画「やばいぞ日本」
を加筆・修正、再構成したものです。なお、内容や登場する人物の肩書・年齢等は基本的に
新聞掲載時のものです。
<この本との出会い>
ふと立ち寄った本屋さんでタイトルにひかれて購入してみました。
読み始めたら面白く続編の『すごいぞ日本』もAmazonで購入しました。
<本文からのご紹介>
テロとどう戦う
■文明の自衛闘争
アフガニスタンの貧しさは、見る者の胸をつぶす。子ども5人のうち1人は、5歳まで生きられない。
一方で、世界のアヘンの93%がここで生産される。国は軍閥が割拠し、かつてタリバンが圧政を
しいていた。
破綻国家となったこの地をテロリストは根拠地と定め、ここから世界中に出撃した。タリバンと
アルカーイダが、この地で再び勢いを得つつある。いま国際社会は、カルザイ政権の要請を
受けて、アフガン安定化活動を行っている。日本の民主党は、その活動を「米国の自衛戦争」と
定義する。世界中にそんなことをいっている国はない。
2001年9月11日にニューヨークを破壊したアルカーイダの基本的考えは、「世界を預言者ムハンマド
のいた7世紀の時代に戻すべきだ」というものだ。ムハンマド以降の1300年間に人類が築いてきた
文明は夾雑物(不純物のこと)であり、破壊すべしという主張だ。
アルカーイダが破壊しようとしているのは、先進国の文明すべてである。ヨーロッパでテロが続発
しているのも、そのためだ。ウサマ・ビンラーディン(アルカーイダ指導者)は、攻撃対象国として
日本の名前も何度か挙げている。
アフガニスタンとイラクで起こっていることは基本的に違う。イラクでの米国の戦闘を「テロとの対決」
と呼ぶことには違和感がある。そのためか、フランスたドイツもイラクにはいない。
しかし、アフガニスタンでの活動はテロとの対決そのもの、というのが国際認識だ。
だからこそ、フランスとドイツを含め、すべての先進国がこの国の安定化作業に参加している。
その数は約40。
「アフガニスタン」は、文明がテロから自衛する闘争なのである。
■理解できぬ撤退
世界中の誰もが理解できない理屈で、日本はテロとの闘いから姿を消した。
テロリストのインド洋お自由使用を阻止してきたのは、10カ国を超える海軍の艦船だ。
海上自衛隊は、アラビア半島沖合でこれらの艦船に6年間、給油を続けてきた。炎暑の下での
大変な作業であり、国際社会から高い評価を受けていた。しかし、テロ特措法は失効し、艦隊は
07年11月23日に日本に帰ってきた。ヨーロッパのメディアはこう書いた。
「またもや、きつい軍事的任務を他国に恥ずかしげもなく押しつける自己中心の昔の日本に
なったのか?」
民主党は、日本の給油活動は「武力行使と一体」と主張し、日本を国際チームから引きはがした。
論理がわからない。各国の艦船がやっていることは、旗国政府の同意を得て不審船の乗船検査を
行うパトロール行動であり、戦闘ではない。ましてや、日本は給油していただけだ。
それでも武力行使と一体だというならば、米軍兵士に食事を供することも武力行使ということになる。
もうひとつ。民主党は、国連安保理決議がないからインド洋から引けと主張した。安保理決議という
ものは、拒否権を持つ中国とロシアが「よろしい」といった場合にのみ成立する。中国の反対によって
人権蹂躙国家のスーダンやミャンマーに対する安保理の非難決議は、いまなお採択されていない。
日本は、「自分で正しいと考えても中国の了承がなければ行動しません」というわけである。
それに、民主党が参加を主張するPRT(地方復興チーム)の活動(後述)は安保理決議に基づく
ものではない。どうもよくわからない。
この本は産経新聞で連載されていた連載企画「やばいぞ日本」を加筆・修正、再構成したものです。
構成はプロローグとして、人口問題やハブ港の問題、第二部は教育問題、第三部は外交編、
第四部は資源ウォーズとしてエネルギー問題、第五部は国防問題、第六部は再生への処方箋として
希望編、最後に論客者が集まった座談会が掲載されております。
読んで何より感じたことは、あまりに日本の事を知らなかったな~と感じました。
本文から取り上げた、インド洋の給油活動の話ですが、きっと興味をしめして調べるとわかること
だったかもしれませんが、テレビ等でマスコミが報道している内容だけでは、この程度の背景まで
理解している人は少ないのではないでしょうか?ちなみに私も理解しておりませんでした。
本文ではこの続きとして、いかに給油活動が安全でしかも効果がある支援なのかが説明されており、
自衛権しかもたないいまの自衛隊ではその他の支援は、他国の足を引っ張ることにしかならないと
具体的に説明されております。やはり、ただ単純に戦争はダメとか憲法9条を守ろうを前提とするのでは
なく、まず現在おかれている状況をきちんと知り、その上で世界のために何ができるかをキチンと
判断できる仕組みが必要なのではないでしょうか? 国防の問題となると、どこか他人任せの
感じになってしまうのですが、これこそちゃんと判断しなければ危険な問題ですからね。
「やばいぞ日本」には続編があり、その続編は「すごいぞ日本」です、今軽く読み始めていますが、
まだまだ日本も捨てたものでは無いと感じる内容です。もし「やばいぞ日本」を読むのであれば、
あわせて「すごいぞ日本」も読むことをおすすめします。
日本を覆う不安の正体、そして再生への希望
産経新聞の大型連載 待望の書籍化!
<著者のご紹介>
本書は産経新聞で2007年7月3日から同年12月20日まで掲載された連載企画「やばいぞ日本」
を加筆・修正、再構成したものです。なお、内容や登場する人物の肩書・年齢等は基本的に
新聞掲載時のものです。
<この本との出会い>
ふと立ち寄った本屋さんでタイトルにひかれて購入してみました。
読み始めたら面白く続編の『すごいぞ日本』もAmazonで購入しました。
<本文からのご紹介>
テロとどう戦う
■文明の自衛闘争
アフガニスタンの貧しさは、見る者の胸をつぶす。子ども5人のうち1人は、5歳まで生きられない。
一方で、世界のアヘンの93%がここで生産される。国は軍閥が割拠し、かつてタリバンが圧政を
しいていた。
破綻国家となったこの地をテロリストは根拠地と定め、ここから世界中に出撃した。タリバンと
アルカーイダが、この地で再び勢いを得つつある。いま国際社会は、カルザイ政権の要請を
受けて、アフガン安定化活動を行っている。日本の民主党は、その活動を「米国の自衛戦争」と
定義する。世界中にそんなことをいっている国はない。
2001年9月11日にニューヨークを破壊したアルカーイダの基本的考えは、「世界を預言者ムハンマド
のいた7世紀の時代に戻すべきだ」というものだ。ムハンマド以降の1300年間に人類が築いてきた
文明は夾雑物(不純物のこと)であり、破壊すべしという主張だ。
アルカーイダが破壊しようとしているのは、先進国の文明すべてである。ヨーロッパでテロが続発
しているのも、そのためだ。ウサマ・ビンラーディン(アルカーイダ指導者)は、攻撃対象国として
日本の名前も何度か挙げている。
アフガニスタンとイラクで起こっていることは基本的に違う。イラクでの米国の戦闘を「テロとの対決」
と呼ぶことには違和感がある。そのためか、フランスたドイツもイラクにはいない。
しかし、アフガニスタンでの活動はテロとの対決そのもの、というのが国際認識だ。
だからこそ、フランスとドイツを含め、すべての先進国がこの国の安定化作業に参加している。
その数は約40。
「アフガニスタン」は、文明がテロから自衛する闘争なのである。
■理解できぬ撤退
世界中の誰もが理解できない理屈で、日本はテロとの闘いから姿を消した。
テロリストのインド洋お自由使用を阻止してきたのは、10カ国を超える海軍の艦船だ。
海上自衛隊は、アラビア半島沖合でこれらの艦船に6年間、給油を続けてきた。炎暑の下での
大変な作業であり、国際社会から高い評価を受けていた。しかし、テロ特措法は失効し、艦隊は
07年11月23日に日本に帰ってきた。ヨーロッパのメディアはこう書いた。
「またもや、きつい軍事的任務を他国に恥ずかしげもなく押しつける自己中心の昔の日本に
なったのか?」
民主党は、日本の給油活動は「武力行使と一体」と主張し、日本を国際チームから引きはがした。
論理がわからない。各国の艦船がやっていることは、旗国政府の同意を得て不審船の乗船検査を
行うパトロール行動であり、戦闘ではない。ましてや、日本は給油していただけだ。
それでも武力行使と一体だというならば、米軍兵士に食事を供することも武力行使ということになる。
もうひとつ。民主党は、国連安保理決議がないからインド洋から引けと主張した。安保理決議という
ものは、拒否権を持つ中国とロシアが「よろしい」といった場合にのみ成立する。中国の反対によって
人権蹂躙国家のスーダンやミャンマーに対する安保理の非難決議は、いまなお採択されていない。
日本は、「自分で正しいと考えても中国の了承がなければ行動しません」というわけである。
それに、民主党が参加を主張するPRT(地方復興チーム)の活動(後述)は安保理決議に基づく
ものではない。どうもよくわからない。
この本は産経新聞で連載されていた連載企画「やばいぞ日本」を加筆・修正、再構成したものです。
構成はプロローグとして、人口問題やハブ港の問題、第二部は教育問題、第三部は外交編、
第四部は資源ウォーズとしてエネルギー問題、第五部は国防問題、第六部は再生への処方箋として
希望編、最後に論客者が集まった座談会が掲載されております。
読んで何より感じたことは、あまりに日本の事を知らなかったな~と感じました。
本文から取り上げた、インド洋の給油活動の話ですが、きっと興味をしめして調べるとわかること
だったかもしれませんが、テレビ等でマスコミが報道している内容だけでは、この程度の背景まで
理解している人は少ないのではないでしょうか?ちなみに私も理解しておりませんでした。
本文ではこの続きとして、いかに給油活動が安全でしかも効果がある支援なのかが説明されており、
自衛権しかもたないいまの自衛隊ではその他の支援は、他国の足を引っ張ることにしかならないと
具体的に説明されております。やはり、ただ単純に戦争はダメとか憲法9条を守ろうを前提とするのでは
なく、まず現在おかれている状況をきちんと知り、その上で世界のために何ができるかをキチンと
判断できる仕組みが必要なのではないでしょうか? 国防の問題となると、どこか他人任せの
感じになってしまうのですが、これこそちゃんと判断しなければ危険な問題ですからね。
「やばいぞ日本」には続編があり、その続編は「すごいぞ日本」です、今軽く読み始めていますが、
まだまだ日本も捨てたものでは無いと感じる内容です。もし「やばいぞ日本」を読むのであれば、
あわせて「すごいぞ日本」も読むことをおすすめします。
- ショップ: 楽天ブックス
- 価格: 1,680 円
私のブログにご訪問とnice!をありがとうございました。
五味太郎さんの絵本、大好きです。
誰かにプレゼントするときは必ず五味さんの絵本です。
数年前、五味さんの講演にも行きましたよ。
by 雅子 (2009-11-23 01:19)
雅子さんnice&コメントありがとうございます。
私もプレゼントは五味さんの本が多く、
特に「らくがき絵本」とクレヨンの組み合わせが多いです。
落語絵本の「じゅげむ」も小学生には大人気ですよ!
by RONRON (2009-11-23 10:47)