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『モノレールガールズ』 ~澤みゆき~ [「女性のお仕事」]

会社は変われる!
駅を「お客さまをもてなす場所」に変えた、大阪モノレールのフロアアテンダント。
発想の転換と不断の努力が生み出した小さな成功物語


モノレールガールズ

モノレールガールズ

  • 作者: 澤みゆき
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2009/04/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



<著者のご紹介>
 澤みゆき(さわ みゆき)
 1974年京都市山科区生まれ。
 大阪府北部を走る大阪モノレールが2003年、鉄道業界において初めて導入した
 「フロアアテンダント」の立ち上げメンバーのひとり。
 駅の改札業務や構内のコンビニエンスストア業務を兼任するフロアアテンダントとして、
 利用者に「おもてなしの心」で接してきた。
 現在はアシスタントマネージャーの立場から後輩たちの育成に力を注ぐ。
 大阪モノレール株式会社勤務。


<この本との出会い>
 駅の本屋でみかけて、表紙の写真の素敵さと、帯の”会社は変われる!”との
 ギャップに心踊らされました!





<本文からご紹介>

 プロローグ 「どうして女の人が改札に?」

 通勤・通学ラッシュを迎えた、朝八時の千里中央駅。
 大勢のお客様が自動改札機を通って、ホームへと向かっていきます。
 腕時計に目を落としながら足早に歩くスーツ姿の男性、ケータイから目を離さず器用に定期券を取り出す若いOLさん、口もとに手をあててあくびを噛み殺している年配の女性、寝癖をつけたままの男子学生、小さなランドセルを揺らした小学生・・・。お客様がICカードをかざすたびに自動改札機が「ピピッ」という電子音をたてます。その波が落ち着いたあと、今度は逆にホームから下りてきたお客様が、同じく足早に自動改札機を抜けていきます。
 その改札機の列に直角に向かい合うかたちで、木目調のデザインがほどこされた開放的な改札室があります。
 改札口にある白いカウンターの内側に立った私たちフロアアテンダントは、お客様にお辞儀をしながら元気な声でご挨拶します。
 「ご乗車、ありがとうございます」
 「行ってらっしゃいませ」
 大阪北部の郊外を走る、大阪モノレール、日常的に通勤・通学に使われることが多い「地域の足」です。
 お客様にとって、私たちのご挨拶はすっかりおなじみのものになっているのでしょう。日常的な風景として受け流し、そのまま通り過ぎていかれる方がほとんどです。
 でも、ときどき「あれ?」という顔をして、私たちのほうを見るお客様もいらっしゃいます。
 「どうして、女の人が改札に立っているのかな?」
 と、少し不思議そうな表情です。
 「それになんだか、フライトアテンダントみたいだぞ」
 濃紺の制服に華やかなスカーフ。くっきりとしたメイクに、ぴしっとまとめたヘアスタイル。私たちの姿を見て、そんな連想をされているのかもしれません。

 フロアアテンダントの仕事を始めたばかりのころ、こんなことがありました。
 お昼過ぎの門真市駅。ひとりのお客様が改札に立つ私に近づいてきて、しげしげと顔を眺めながらこうおっしゃいました。
 「あなたは、さっきそこのコンビニのレジにいなかった?」
 「はい。先ほどは、お買い上げありがとうございました」
 「どういうこと?ここでは、コンビニの人が駅の改札をするの?」
 私はそのお客様にご説明しました。
 私たち「フロアアテンダント」の役割について。
 「へえ。コンビニと駅の両方の仕事をしてるんだ」
 ご説明のあと、お客様はなおも首をかしげながら、こうおっしゃいました。
 「でも、東京にそんなの、ないよ」
 無理もありません。駅で働く専門の女性スタッフ「フロアアテンダント」の導入は、全国的にも初めての試みだったのです。2003年4月のことでした。
 今でもときおり、私たちのことを「あれ?」という顔で見られるお客様がいらっしゃることからも、一般的な知名度が高いとはいえない仕事だと思います。
 でも、早いもので、フロアアテンダントの誕生から6年の歳月が流れようとしています。
 私はその一期生として、大阪モノレールの駅で働いてきました。
 お客様との出会いを通して流した涙、生まれた笑顔。そして、それらの体験からつかんだ人間的な成長。
 そこには、さまざまなドラマがありました。



 この本はメディアファクトリー社から、ノンフィクション「女性のお仕事」シリーズの一つとして発刊されて
 います。たまたま、この表紙に目が止まり購入してみたのですが、シリーズ化されているのですね。
 思わず他の本も購入してしまいました。さて、今回ご紹介したのは、大阪モノレールで働く澤さんが
 書いた「モノレールガールズ」です。大阪モノレールはかなり昔に、何回か乗ったことがあるのですが、
 まったく印象がありませんでした。でもよく考えてみると、フロアアテンダント導入前だったのですね。
 プロローグでも紹介されているように、フロアアテンダントの仕事は、改札業務とコンビニエンスストア業務の
 両方を兼務しております。著書の澤さんはその一期生として、フロアアテンダントの立ち上げに
 まさに体を張って取り組んで来たのですね~。その歴史がこの本には余すとこなく書かれております。
 途中、写真が何枚も差し込まれていて、この表情がとても素敵なんです。やはり楽しい職場で働く人の
 表情はとても生き生きしていますね。まさしくこの本を読むと、帯に書かれているように、会社は変われる!
 そう思える内容になっております。澤さんには失礼かもしれませんが、決して一人のカリスマがみんなを
 ひっぱり立ち上げたのではなく、小さなことに悩み改善していくことでも、会社を変えることが出来ると
 あらためて実感しました。大阪でモノレールを通勤に使っている方には、是非とも読んで欲しい一冊です。





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けむ

私のお気に入りのブログです☆これからも楽しみにしていますね!(^ー^)b

by けむ (2011-02-19 00:50) 

RONRON

けむさん
お褒めの言葉ありがとうございます。
これを励みに頑張りマッスル!
by RONRON (2011-02-19 13:30) 

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