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『崖っぷちに立つあなたへ』 [落合恵子]

いじめによる子どもの自殺があとを絶たない、生い立ちゆえにいじめや無視とたたかう日々の中で、
著書を支えたのは母の温かな眼差しだった、「今度は、私がだれかを支える番」と、自身の体験を
ふまえながら崖っぷちの今を必死に生きる若者たちに、「生きいそがないで」ち熱く語りかける一冊。

 
崖っぷちに立つあなたへ (岩波ジュニア新書 592)

崖っぷちに立つあなたへ (岩波ジュニア新書 592)

  • 作者: 落合 恵子
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2008/04
  • メディア: 新書



今日は、いろいろと、深く考えさせられる1冊です。

著者の紹介です。

 落合恵子(おちあいけいこ)
 1945年生まれ。作家。執筆と並行して東京・青山と大阪・江坂に子どもの本の専門店「クレヨンハウス」、
 女性の本の専門店「ミズ・クレヨンハウス」、オーガニック市場やレストランを主宰。育児雑誌「月刊クーヨン」の
 発行人。主な著書に、「絵本屋の日曜日」、「人生案内 - 自分を育てる悩み方」、「母に歌う子守唄 - 
 わたしの介護日誌」、「母に歌う子守唄 - その後 わたしの介護日誌」、絵本「いぬとわたしの10のやくそく」
 など多数。


絵本屋の日曜日

絵本屋の日曜日

  • 作者: 落合 恵子
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2006/04
  • メディア: 単行本



いぬとわたしの10のやくそく―えほん

いぬとわたしの10のやくそく―えほん

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: リヨン社
  • 発売日: 2007/11
  • メディア: 大型本



それでは、本の内容をご紹介します。




 この本は著書の落合恵子さんの半生が書かれています。
 第二次世界大戦の末期に、シングルマザーの子として生まれたこと、当時は他の子どもから「フドウトク」や
 「ミモチが悪い女」とかいじめられていたこと、大好きなヒヨコを友だちにあげるのが嫌で、殺してしまったこと、
 また、それが原因でしばらく声が出なくなったこと。同じ原因で、アナウンサー時代に、根も葉もない
 ゴシップ記事で、声が出なくなったこと。世間体をあまりに気にする祖母のこと。大好きな母がうつで入院した
 こと。学校の生活になじめなく、また、グループ生活にもなじめなかったこと。

 そんな半生が赤裸々に書かれています。

 本文から紹介します。

「崖っぷち、だったろうか」

 2006年の秋から冬にかけて、子どもの自殺が次々に報道された。
 こういった報道はされなければならないものであると同時に、報道がむしろ悩んでいる子の
 背中を押してしまう場合もあるので、慎重でなければならない。何をして「慎重」とするかは、
 正直、わたしにもわからない。が、亡くなった子の親や学校当局に、マイクをつきつけ過剰に
 感情を語らせたり(親は当然、感情的になる)、詰問するような報道のあり方は問題だ。

 「あんなふうな騒ぎになり、あんなふうに、周囲が泣いてくれるなら」

 そう思い込んでしまう子がいたとしても不思議ではない。誰だって、誰かに大事にされている
 自分を甘美に想像したい欲求はあるのだから。
 一昨年のその季節、ふだんは政治や人権をテーマに大人向けに書いている新聞の連載の一部を
 生徒と呼ばれる人のために使いたいと申し出た。タイトルは「崖っぷちに立つきみに」。
 本当にいま、崖っぷちに立たされている生徒に、そのコラムはなんの意味ももたないだろう。
 第一、そういったコラムを生徒が読んでくれるとは思わない。それでも、書かずにはいられな
 かった。

 その一部を再現してみよう。

 (略)学校が子どもの主たる居場所であったとき、いじめによって自分という存在を
  否定された子たちは、ほかに行く場所はなくなる。(略)
 「崖っぷちに立たされてしまったきみに」何度でも伝えたい。いのちまでかけて、学校に
  行くことはない、と。
  ほとんどすべてのわたしたちは、「いま」の中に生きている。その「いま」が、屈辱的で
  耐えがたいとき、「明日」を夢見ることは、たやすいことではない。そのこともわかる。
  その、難しいことを敢えてやってみないか。
  きみは、キスをしたことはあるか。大好きなひととキスをするときの、膝ががくがくする
  ような喜び。それすら味わうことなく、きみは先を急ぐのか。いや、キスに限ることはない。
  きみにはまだたくさんの「未体験」がある。「生きていてよかった」と全身の細胞が
  一斉に叫びだすような甘美で美しいものも、きみの「未体験」のなかにはあるはずだ。
  それらすべてを味わうことなく、悲しく無念な「いま」の中で、きみは生き急いで
  しまうのか。
  いのちまでかけて、学校に行くことはない。いまは。

                  (信濃毎日新聞 2006年11月15日付け夕刊)

 自己満足でしかないかもしれないが、わたしは書かずにいられなかった。




 落合さんが、書かずにはいられなかったように、私もかかずにいられませんでした。
 もしも、そんな境遇で、崖っぷちに立つきみがいるのなら、ひとりでは無いと感じで欲しい、
 信じられる大人が少なくともいることを・・・。そして、まだまだ「未経験」のことがあり、「生きていてよかった」と
 思えることもあることが、これから待っていることを・・・。
 まだまだこの世の中には、素敵なそして真剣な大人がたくさんいます。
 そんな素敵な人との出会いもきっと生まれるはずです。
 
 夜回り先生とよばれる先生がいます。 夜回り先生の記事へGo

 成績も悪く、いじめられっ子でも先生になった人がいます。 宮本延春さんの記事へ

 それでは また。

  
 
 


タグ:いじめ 教育
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