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『じょうぶな頭とかしこい体になるために』 ~五味太郎~ [五味太郎]

五味太郎さんの素敵な本を紹介します。



じょうぶな頭とかしこい体になるために

じょうぶな頭とかしこい体になるために

  • 作者: 五味 太郎
  • 出版社/メーカー: ブロンズ新社
  • 発売日: 2006/07
  • メディア: 単行本



疑う力・悩む力・求める力のパワーアップと帯には書かれていています。

それでは、本の内容のご紹介です。


  はじめに
  
 大人の言うことは素直に聞いて、決められたことはきちんと守り、出された問題にはうまく答え、
 与えられた仕事はだまってやる。決してさぼったり、ごまかしたりしない。それが
 「かしこい頭とじょうぶな体」のよい子です。

 言われたことの意味をたしかめ、決められたことの内容を考え、必要があれば問題をとき、
 自分のために楽しい仕事をさがし出し、やるときはやるし、さぼるときはさぼる。
 これが「じょうぶな頭とかしこい体」を持った、これもまた良い子です。

 かしこい頭とじょうぶな体をつくるための訓練や方法は世の中にいやというほどありますが、
 頭をじょうぶにし、体をかしこくするためのものは驚くほど不足しているようです。
 この本は、頭がもっとじょうぶになるための、体がもっとかしこくなるためのトレーニングです。

 ここで扱ったテーマは、現代の子どもの疑問、悩み、希望といったものを調査したいくつもの
 データの中から、とくに重要だと思われるものを50項目にまとめたものです。



何をしたいのか自分でよくわからないんだ

目的に向かってすすむ以外ないのか?

   「きちんとした目的、目標を持って生活しなさい」「その目的、目標に向かって努力しなさい」などと
  よく言います。よく言われます。そこで言われた人(だいたい子どもですが)は仕方がないので、
  学年配当漢字を全部書けるようにするとか、全国音楽コンクールに向けて練習するとか、あるいは
  ○○中学校、××高等学校、△△大学に合格しようなどという、とりあえず目的、目標をかかげて生活
  しなくてはなりません。そのほうがキリっとした生活をしているような気になるからです。
  充実した生活を送っているような感じがするからです。そして、そんな暮らし方をしている子どもたちを
  見て、大人は一応安心するぐらい無責任です。目的、目標をかかげて努力することが、どんな意味が
  あって、どんな価値があることなのか、深く考えたり、自ら実験、実践してみようとはしません。
  ただなんとなくそのほうがいいのではないかと一般的に思っているだけなのです。その証拠には、
  その目的、目標の内容が少しでも一般的ではない場合、たちまちとがめられることになります。

   たとえばその目的、目標が「宇宙人と交信すること」というような少し一般的ではないものになると、
  いくらその目標のために毎日2時間は屋根の上に登るというほど、きちんとした生活態度であっても、
  認められたりはしません。「新しいヘアースタイルをあみ出す」と言う目標で毎日鏡に向かって努力型の
  男の子を見て、両親はあまり喜びません。むしろ心配になったりします。

  そして子どもというのは、おおかた心やさしい人々なので結果として「親が安心する目的、目標に向
  かって努力するふりをする」「その目的、目標の中になんとか自分自身の目的、目標を見い出そうと
  懸命の努力をする」というようなやや辛い生活を送らなくてはならなくなります。ふりをするのも辛いもの
  です。のんびり屋の少女が、あるときから急にいそがしそうな様子になったので、ぼくが「なんだか人が
  変ったみたいだね」とよけいなことを言ったら、その少女が答えました。「やるときはやるんだよ」
  言葉は乱暴ですが、いい台詞だと思いました。少し尊敬しました。それ以外言いようはないと思えます。

   人間にある目的、目標が生まれるのも自然なら、それに向かって努力するのもまた自然です。その目的
  目標がどんなものなのかは誰にもわかりません。当人にもよくわかりません。そしてとりあえずの目的
  目標がないと言うのもまた自然です。その状態でいわゆる努力しないのもあたりまえです。
  そこのところがわかってない人が多すぎます。とくに大人にね。
  それでもなおかつやっぱり目的、目標、努力だと頑張る大人には、こんな言い方はどうでしょう

   「人間、目的、目標を持って生れてきたんじゃないよ。はっと気がついたらいたんだよ。食って寝て
  のそのそ動きまわっているのが、もしかしたら目的、目標かもね」

   なんだか少し理屈っぽいです。それに、説得するために努力するというのも疲れます。やはり、
  「やるときはやるんだよ」で十分です。


ぼく友だちが出来ないんだ…

友だちとはどういう人のことか

  なにをするにも誰かさんといっしょにやるのが好きなタイプの人は、友だちができやすい。友だちが
  できにくいという人は、基本的にひとりでやるタイプの人です。友だちを作りたいと思うこと、そのこと
  についても、ひとりでやるのです。ひとりで考えるのですね。いっしょにやりたいタイプの人は、
  友だちを作るにも誰かといっしょにやるわけです。つまり作る前から友だちがいるというわけです。

  誰かといっしょにやっていると、気がついたら友だちになっていたなんてこと、よくあることです。
  友だちの自然発生です。友だちとは自然発生です。できないから作るといった代物ではありません。
  できてしまうようなものだと言ったほうがよいかもしれません。なぜなら友だちというものは、いるから
  楽しい、いるから豊かだ、いるから寂しくないといった側面もたしかにありますが、同時にいるから
  苦労する、いるから頭にくる、いるからイライラする、などということもあるのです。そんなやつらは
  友だちじゃないと言っても友だちなのです。

  なにしろ自然発生するのですから。友だちができない。友だちがほしいと思い悩む人は、友だちと
  いうもののいい面だけを求めている傾向があります。自分が好むような友だちがほしいと無理な
  注文をしているキライがあります。そううまくはゆきません。苦労もイライラも覚悟の上で、誰かと
  いっしょにしたいということが少しはっきりすると、友だちは自然発生します。そして苦労します。


 いかがでしょうか五味ワールド
 この作品は1991年に発行されています。そして、2006年に、文中の法律、法規、諸情報、注釈‥
 などを少々改めて、改装版として発行されました。
 と、思うと、発行から15年もたっているのに、社会は成長していない気がしますね~。

 この本のあとがきに、改装版として、五味さんが加筆しております。
 『はたして、大人はしっかりしたでしょうか。子どもはしっかりしたでしょうか。
  「はい、だいぶしっかりしました」と、すぐには言えそうもない気配です。でも、
  それでも何かが少しは変わってきたという気もします。15年目の感想です、
  そして15年後にまた、ふっと立ち止まって考えてみたいななどと思います。』
 五味さんは、少し変わってきた気がしますと言っているので、五味さんのまわりでは、
 何かが少し変わり始めているのでしょうね~。
 私も陰ながら、そんな思いに貢献できるように、しっかり頑張ります!
 なんて、気合を入れすぎると、五味さんに突っ込まれそうなので、
 「ほどほどに、それなりに、やるときはやるんだよ!」って感じです。

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コメント 4

新宿の美容室からコメント

ブログを見るのを楽しみにしています。これからもがんばってくださいね!P(^o^)

by 新宿の美容室からコメント (2011-03-06 00:19) 

RONRON

新宿の美容室さん
お褒めの言葉ありがとうございます。
これからもよろしくお願いします^^
by RONRON (2011-03-06 11:14) 

Cheri

Thank you, I've recently been searching for information about this topic for a long
time and yours is the greatest I have came upon till now.
But, what about the conclusion? Are you sure concerning the
supply?
by Cheri (2019-10-30 19:31) 

Margene

Hi, just wanted to say, I liked this article. It was
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by Margene (2019-11-01 21:16) 

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