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『頭のうちどころが悪かった熊の話』~安東みきえ~ [安東みきえ]

今日はいつもとは趣向をかえて、こんな作品です。

頭のうちどころが悪かった熊の話








『頭のうちどころが悪かった熊の話』
 どうせまた寝ることになるっていうのに、
 なぜ起きなくちゃいけないいんだろう? ― 「池の中の王様」より

著書は安東みきえさんです。
プロフィールのご紹介です。
  1953年 山梨県甲府市生まれ
  1994年 「ふゆのひだまり」で第11回ちいさな童話大賞を、
  「いただきます」で同選者賞今江祥智賞を受賞
  2000年刊行の『天のシーソー』で第11回椋鳩十児童文学賞受賞
  他に『おじいちゃんのゴーストフレンド』
  絵本『どこまでいってもはんぶんこ』がある。
  1997年より、「そこまでとべたら」が『中学国語Ⅰ』に収録


さて、それでは本文から


池の中の王様
  そのおたまじゃくしは、クエスチョンマークのかたちで、卵から飛び出した
  ものだから「ハテ?」と名づけられた。
  なにしろ百匹もうまれる子どもたちだ。はじけるようにうまれたから、
  「ポン」だし、苦労して生まれたら「クロー」といった具合に、行き当たり
  ばったりに名前は決められていった。
  だいたいだれもかれも似ているし、ごちゃまぜに泳いでいるので、
  どれが自分の頭なのかしっぽなのか、そのうちにはどれが自分の
  考えていることなのかわからなくなってしまうのがふつうなので、
  名前などどうでもいいようなものだった。
  ところがハテだけは、
  「なぜ、ぼくの名前がハテなの?」
  と、いいだしたのが始まりで、
  「なぜぼくたちは、おたまじゃくしっていうの?おたまじゃくしがそう決めたの?
  なぜこれがしっぽなの?ぼくはそう呼びたくないって、だれに断ればいいの?」
  などと、つぎつぎに親に質問をあびせかけた。
  でも百匹の兄弟だから、いつでもそのうちざっと三十匹は親に話かけている。
  ハテの声は運がよければどちらかの親にとどいたけれど、それにしたって、
  「えっ?ハテ、お前今なんかいったかい?」で片付けられてしまってた。
  そんな具合だったから、ハテの気もちはいつも羽虫のようい宙に浮いた
  ままだった。
  ~(後略)~


 そんなハテの冒険がこの後繰り広げられます。
 さまざまなものに疑問をもって、問いかけるハテと言う名のおたまじゃくし、
 そんなハテがこう言います

  「自分の目でしか見えないんだよ。何がホントかなんて、
 誰にもわかりっこないじゃないか。
  でもわかっているのは、ぼくの世界では僕が王様ってこと。
  ほら、その証拠に・・・・」
  ハテは目をぎゅっとつむった。
  「ぼくが目をつむりさえすれば、世界はなくなる」
  ハテは、父さんに背をむけて泳ぎはじめた。

こんな感じです。さらに最後は、ほんわかしたエピソードで締めくくられます。
このほかにも
 頭のうちどころが悪かった熊の話
 いただきます
 ヘビの恩返し
 ないものねだりのカラス
 池の中の王様
 りっぱな牡鹿
 お客様はお月さま
で構成されてます。
いろいろな動物が登場して、いろいろな悩みをもってます。
動物に例えられてますが、内容は結構深いんですよね~。
読んだあと、すっきりとは言えない感じです。
なんでかな~と思ったら、ハッピーエンドで終わらないからですね~。
結構シュールな感じです。たまにはこんな感じの本も良いのかも知れませんね~。
興味を示したかたは、是非気軽に購入して、軽く読んで、じっくり考えこんでみては
いかがでしょうか?
それでは、また!

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