SSブログ

『小さな人生論4』 ~藤尾秀昭~ [藤尾秀昭]

 本書は珠玉の心学講義である。 -渡部昇一

 シリーズ16万部突破! 待望の第4作


小さな人生論〈4〉「致知」の言葉

小さな人生論〈4〉「致知」の言葉

  • 作者: 藤尾 秀昭
  • 出版社/メーカー: 致知出版社
  • 発売日: 2009/09
  • メディア: 単行本



<著者のご紹介>
 藤尾 秀昭(ふじお ひであき)
 昭和53年の創刊以来、月刊誌「致知」の編集に携わる。
 54年に編集長に就任。平成4年に致知出版社代表取締役社長に就任。
 現在代表取締役社長兼編集長。
 『致知』は「人間学」をテーマに一貫した編集方針を貫いてきた雑誌で、
 平成20年、創刊30年を迎えた。
 有名無名を問わず、「一隅を照らす人々」に照準をあてた編集は、オンリーワンの
 雑誌として注目を集めている。
 主な著書に『現在の覚者たち』『小さな人生論』『小さな人生論2』『小さな人生論3』
 『WEB版小さな人生論ノート』『小さな経営論』がある。

 以前の記事はカテゴリー藤尾秀昭を参照して下さい → 過去の記事へ


<この本との出会い>
 『小さな人生論』シリーズは毎回欠かさず購入してます。
 その最新刊ということで購入しました。


<本の構成>
 まえがき 渡部昇一

 第一章 いのちを輝かす
 第二章 心を導くもの
 第三章 自分を創る道
 第四章 生き方の指針
 第五章 人間このすばらしきもの
 第六章 人生をひらく

 あとがき
 初出一覧

 ページ数 155ページ
 読書時間 2時間





<本文からご紹介>

 執 念
 青年は地方の大学を出、京都の会社に入った。就職難の時代。青年の喜びは大きかった。
 だが、それが色褪せるのにさして時間はかからなかった。会社は赤字続きで給料遅配も
 珍しくない。これに対して労働組合は頻繁にストを繰り返している。
 青年はうんざりした。同期の友人と語らい、自衛隊に入ることにした。
 その手続きのために戸籍抄本を送ってくれるよう、実家に頼んだ。だが、戸籍抄本はこず、
 長兄の手紙だけが送られてきた。
 「働くところもないおまえを雇ってくれた会社になんの恩返しもせずに辞めるとは何事か」
 長兄の叱責はズシンとこたえた。よし、この場こそ最高の場と思おう―青年は生活を一変
 させる。会社に布団から炊事道具まで持ち込み、寝る間も惜しんで仕事に没頭した。
 その努力は認められ、会社は数人の部下をつけてくれた。こうして開発された製品に
 ある大手メーカーが注目、大量の注文が舞い込むようになった。

 そんな時期、賃上げ要求をして組合は全面ストに突入。工場にはピケが張られた。
 だが、青年は仲間と会社に泊まり込み、仕事を続けた。作った製品は裏門の塀から手渡し、
 納品した。そんな青年の行為は全組合員から批難、罵倒された。青年は言った。
 「私は会社の回し者でもみなさんの敵でもありません。いまわが社で唯一黒字を出している
 のはこの製品だけです。この生産を止めたら、それこそみなさんの給料も払えなくなるのでは
 ないですか」
 一歩も譲らない青年の姿勢。これには組合幹部も心を動かし、スト中も青年のチームだけは
 仕事の続行を黙認されることになった。
 京セラ創業者、稲盛和夫氏25歳の頃の話である。

 人が事を成す上で欠かせないものは、執念である。努力は誰でもする。
 その努力が執念と呼べるほどのものになって、事は成る。
 その執念を生み出すもとは、仕事に対する愛情である。偉大な愛情と執念といえるほどの努力。
 この二者が相まって初めて事は成る。歴史の真理である。

 「成功者と不成功者の差は紙一重」と稲盛氏は言う。
 その紙一重とは何か。
 「不成功者には粘りがないのです」

 松下幸之助氏も言う。
 「失敗はありますよ。しかし成功するまで続けたら、失敗はない。
  成功とは成功するまで続けることだ」

 以前話題を呼んだ「ビショナリーカンパニー」は、設立年が平均で1898年という、時の試練を
 乗り越えてきた真に卓越した企業を選び出したが、これら企業トップの共通点をこう記している。
 「幸運の女神は、どこまでも粘り抜く者にほほえむ。この明快な事実が成功した会社の創業者に
  とって重要な礎になっている。ビショナリーカンパニーの創業者はどこまでも粘り抜き、
 『絶対に、絶対に、絶対にあきらめない』を座右の銘としている」

 百歳で30年分の仕事の材料を買い込んだという彫刻家、平櫛田中さんの言葉を最後に。

 実践実践また実践
 挑戦挑戦また挑戦
 修練修練また修練
 やってやれないことはない
 やらずにできるわけがない
 今やらずしていつできる
 わしがやらねばだれがやる






 『小さな人生論』シリーズのその4です。毎回毎回心に響く素敵な内容で感動させて頂いてます。
 今回も前回や前々回に負けず劣らず素敵な内容になっております。
 本文からは、”執念”を取り上げてみました。
 京セラ創業者の稲森氏の本は何冊か読んでいますが、こんなきっかけがあったとは知りませんでした。
 もし長兄からの手紙がなかったら自衛隊になっていたかもしれないと思うと、人はほんの少しの
 きっかけで変わる可能性があるんだな~と考えますよね。
 しかも、その稲森氏の取り組み方は努力とかの一言で表現するよりも、まさに執念と表現されるべき
 内容だったのですよね。決してあきらめず、会社に泊まりこんでまで取り組み続け、最後は神にまで願い
 そして成し遂げた、そんな執念をもって取り組んだからこそセンシビリティが生まれたのですよね。
 沖縄の神さまが、なんくるないさーは軽い気持ちでどうにかなるさーではなく、真剣に取り組んで
 執念や信念を持って努力を続け、もう何もすることがなくなった時に使う言葉なんですよね~と
 読んだ事があります。まさに、執念なのですね~。
 そんな稲森氏だからこそ、今回JALの再建に白羽の矢がたったのでしょう。
 是非ともJALの社員の皆様は、稲森氏の本を読み、現代に残る最高の経営者と真剣に立ち向かって、
 再建に努力していって欲しいと切に願います。執念を生み出すもとは、仕事に対する愛情である。
 ここが大きなポイントなのでしょうね。





nice!(0)  コメント(1)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 1

Cialis reviews

沒有醫生的處方
tadalafil http://cialisyoues.com/ Generic cialis
by Cialis reviews (2018-04-14 09:48) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。