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『イーグルに訊け』 ~天外伺朗・衛藤信之~ [衛藤信之]

ソニーの犬型ロボット「AIBO」の開発を主導したことで知られる天外伺朗氏と
カリスマ心理カウンセラー衛藤信之氏が、混迷の度を深める現代社会で生きる知恵を
アメリカ・インディアンの人生哲学の中に探る。
彼らの哲学は、物質的なものを重視するあまり、精神面の豊かさを失いつつある現代人に
とって、貴重な「生きるヒント」となる。


イーグルに訊け インディアンに学ぶ人生哲学 (ソフトバンク文庫NF)

イーグルに訊け インディアンに学ぶ人生哲学 (ソフトバンク文庫NF)

  • 作者: 天外 伺朗
  • 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
  • 発売日: 2008/08/19
  • メディア: 文庫



<著者のご紹介>
   天外伺朗(てんげ しろう)
 本名・土井利忠 元ソニー(株)上席常務。工学博士(東北大学)
 1964年、東京工業大学卒業後、42年余りソニーに勤務。その間、CD、ワークステーションNEWS
 犬型ロボット「AIBO」などの開発を主導。また、人工知能と脳科学を統合した新しい学問
 「インテリジェンス・ダイナミックス」を提唱した。現在は、ホロトロピック・ムーブメントと称する
 医療改革運動に取り組んでおり、人々が病気にならないようにサポートし、病気になったら
 ひそかに意識の変容をサポートする施設作りを推進している。また「天外塾」という企業経営者を
 対象としたセミナーを開いている。

 衛藤信之(えとう のぶゆき)
 日本メンタルヘルス協会代表。心理カウンセラー。
 南カルフォルニアで学んだ人間性中心心理学を基に、日常に役立つ人間関係スキルの
 オリジナルプログラムを開発。日本国内でその啓蒙・普及に務める。
 また、年間約200本の企業講演・社員研修を担当、日本一企業顧問数の多い心理カウンセラー
 として全国各地を日夜奔走している。


<この本との出会い>
   もともと衛藤さんの本には興味があり、今回イーグルに訊けが文庫化されたのを
 きっかけに購入しました。





<本文からご紹介>

 現代日本人の”心の危機”を避けるヒント ~衛藤~

 しかしそんな限られた時間の中でも、私は彼らのシンプルで力強い言葉や暮らしぶりそのものから、多くの気づきを得ることができました。
 伝統派インディアンの長老は、
 「わしらはすべてつながっている」
 というところから、世界を見つめています。彼らは、自分の幸せは自分だけで築けるものではなく、他の人々。植物、動物たちすべての幸せとつながらなければ完結しないということを、深く理解しているのです。
 このことは、「隣人を愛しなさい」と教える宗教の本質とまさに同じですし、私は何となくイルカを連想するのです。イルカは見た瞬間に、相手が苦しんでいるかどうかわかるといいます。イルカにとって仲間の苦しみは自分の苦しみであり、自己と他者というはっきりした境界がないのです。
 最近、日本の若者の間でイルカがちょっとしたブームになったのは、人々がそういったつながりを求めているからではないでしょうか。
 インディアンの村で出会ったものは、どこかなつかしい、私たちが忘れてしまった昔の日本の風景にとてもよく似ていました。
 私たち日本人は、明治維新以来、近代化のプロセスで伝統的な行事や世界観をどんどん失ってしまっています。そもそも、戦後に産業大国として科学テクノロジーの恩恵を享受できるようになったのは、伝統文化を否定するとことから始まっているのです。
 そして必死になって走ってきたいま、私たちは経済の繁栄とは裏腹に、精神が崩壊過程にあることに気づいています。特に、私はカウンセリングをしていますから、その驚異を日々身にしみて感じているのです。
 インディアンの儀式や長老の会話の中には、そんな日本人の“心の危機”を避けるためのヒントがたくさん詰まっていました。
 もっとも、私は先住民文化の研究家ではありませんし、それぞれの儀式に専門的に詳しいわけではありません。インディアンが行う儀式を具体的に観察するというより、その背景にある精神性を、カウンセラーという立場から見つめていました。ですから、今回は、インディアン文化について解説するというのではなく、私が彼らとふれあった短い時間に感じたことを、現代における心の病理を解決するヒントとして述べていきたいと思います。




 
 以前、「アメリカ・インディアン笑って生きる知恵」「パパラギ」を読んで、インディアン等に関してはとても
 興味があったのですが、私の尊敬する衛藤さんの、この本は読んでませんでした。
 たまたま、今回文庫化されるとのことで、よいタイミングだと思い購入し読んでみました。
 この本はソニーの天外さんと衛藤さんの共著で、天外さんと衛藤さんが交互に意見交換するみたいな、
 形式で構成されています。天外さんがインディアンの伝統文化について詳しく解説し、衛藤さんが
 心理カウンセリングの立場で解説を行うみたいな感じでとても読みやすいです。
 読んでみると、インディアンの伝統文化は日本古来の文化ととても似ているんですね。
 そんな日本古来の文化が少なくなっていることが、”心の戦争”と呼ばれる自殺者の増加につながっている
 のではと記述されておりました。なるほどと思いました。
 それはお祭りでストレスを解消する効果とか、子どもとお年寄りのつながりとか、隣人とのつながりとか・・・
 インディアンの世界で大切に守られていることを、我々日本人はどんどん遠ざけて来ている気がします。
 核家族化とか個人主義とかいろいろいいわけをしてしまいますが、やはりお節介でも人とのつながりは
 大切なんですよね。ちょっとしたイベントでいいんですよね。仲間で集まって飲みに行ったり、スポーツでも
 キャンプでも、日程があえば旅行にでも・・・・それがストレス解消となり、また、隣人とのつながりになって
 いくのでしょうね。いやいや、やはり積極的にこれからもお節介をして行きたいと思いました。
 
 衛藤さんは心理カウンセリングなので、この本の中に心を癒す方法が実は沢山隠されています。
 ちょっと疲れたと感じた方は、この本を読んで、その中に隠されている何か行動を起こすことが大切です。
 




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