『心がぽかぽかするニュース』 [「フリー」]
(社)日本新聞協会で、あなたをハッピーにした新聞記事とコメントを募集して
それを本にして毎年発行しています。それがこの『HAPPY NEWS』です。
その2005年度版が、『心がぽかぽかするニュース』です。
わずか100数ページなのですが、意外と読み応えがあります。
しかも、読み終わった後に、なんだか、優しい気持ちになれます。
本文からひとつご紹介しま~す。
あなたへの感謝状 ~ 朝日新聞 2005年9月14日 朝刊 ~
03年9月設立の「温泉学会」は、温泉に関する情報交換や研究発表などをするマジメな学会。
会長の保田芳昭さん(70)は、今年3月末まで関西大商学部教授だった。多くの病を経験して
きた教授を癒してきたのは温泉と、妻ふみよさん(66)だ。2人はずっと愛車で全国の温泉を
めぐる。昨年秋、教授が選んだ新車のナンバーは「2343」(ふみよさん)。
妻への愛は温泉以上に熱い熱い。(構成 石前浩之)
振り返れば、ぼくの半生は「病気のデパート」。ここまでたどり着けたのはほんま、
君のおかげやと思うてる。でも、こんなふうに改まると、なんか照れるよなあ。
お見合いの席で初めて君に会ったのは27歳の時。実は結婚前、ぼくはお嫁さんの
条件を3つ考えていた。健康で明るくて、料理が上手。君を見て「ぼくの好きなあんぱん
みたいな娘やなあ」と思いながら「3条件にぴったりや」と喜んでました。
でも当時ぼくは大学院生の時にかかった結核のために片方の肺がなかった。
「完治してるから大丈夫だろう」と、君は結婚してくれたけど、1年もたたないうちに
腎臓結核で、片方を摘出。それからも、胃潰瘍、心臓発作、大腸のポリープ・・・。
病の連続やった。そんな中でも君は明るく振舞ってくれた。「心配しても仕方ないわ」
「ケセラセラやわ」その明るさにどれだけ救われたことか。
そんな君も、ものすごく不安だったことも知っています。ストレスのせいでじんましんが
出てしまったことがあったよね。でも、おかげで、医療技術の進歩もあり、講義をほとんど
休むこともなかったし、専門の流通やマーケティングの分野でも、学会の設立や国際会議
への参加を果たすことができた。
痛めた首の療養を機に、20年近く前から2人で始めた温泉地巡り。それが高じて
ぼくは温泉学会会長になってしまった。これまで行った500ヶ所余りの温泉地のうち、
半分以上は2人一緒。君と温泉に行った時、ぼくは手帳の日付欄に「文(ふみ)」の
マークを記しています。でも、今年は退職の講義やお祝い会など何かと忙しく、行った
のはまだ18ヶ所。
訪れていない温泉はまだまだあります。これからも「2343」ナンバーの車で、
「文」マークを積み重ねていこうね。
~ この記事に対するコメント ~
奥様の名前に因んでナンバープレートに2343を掲げ温泉巡りをされている保田夫妻。
奥様に捧げる感謝と愛情表現に、これに勝るものが有るだろうか。
私の主人も保田さんと同年齢だった。
「退職したら2人で布団を積み込んでのんびり北から南の温泉を巡ろう。まずは2人が
大好きな信州の紅葉時季がいいな」
主人は3月末退職し、ワゴン車を新車にした。4月には腰痛の叔父夫婦の為に雪の
積もる大山を走り皆生温泉へ。そこでも信州の構想を夢一杯に語ってたが、直後に
癌告知を受け、半年後の1月末に他界した。声が出なかったから、2人の会話は
その間最小限だった。行間から溢れ出ている保田さんの深い深い奥様への感謝
と愛情を、主人から私へのそれと思わせて頂きたい。新聞の切り抜きをお供えし、
私も主人に感謝を述べた。ご夫妻の健康も頼んだ。
~ 安永 玲子さん 60歳 山口県 ~
こんな感じで、素敵な新聞記事とコメントで構成されてます。しかも特筆すべきは、
応募総数8262件のうち高校生以下が4695件もあることではないでしょうか。
巻末のご挨拶を読むと、新聞協会の姉妹組織の日本新聞教育文化財団を通じ、
新聞を授業で活用するNIE(教育に新聞を)の活動があったからのようです。
日ごろ何気なく読んでいる新聞ですが、悲しく辛い記事ばかりと思っておりましたが、
こんなに素敵でハッピーな記事も掲載されている事を知り、これからはじっくり新聞を
読む時間を大切にしたいな~と思いました。
それでは、またね~。
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